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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

ポルケッタ~夫婦でキッチンに立つ

夫がクリスマスイブに、ポルケッタを作った。

イタリアの旅でたびたび食べた「子豚の丸焼き」だが、無論日本では子豚は入手が難しく、丸焼きができるほどのオーブンもない。

豚肩ロース肉のポルケッタだ。

 

さて。夫が料理する横で、わたしも包丁を持っていた。我が家定番、栗原はるみレシピの「セロリとササミのサラダ」をアレンジした「セロリの千切りサラダ」を作るべく、セロリひと株を千切りにしていた。

わたしの方は、淡々とセロリを刻む時間が長く、言うなれば単純作業。

「こないだ、ヨガ教室でさあ」などど、他愛もない話をしたりする。

夫はといえばポルケッタに集中しているので、口数も少ないが、「櫛形って、どういう切り方?」など訊いてきたりする。

 

さわぐちけいすけのコミックエッセイ『妻は他人 だから夫婦は面白い』を思い出した。

風変わりなこの夫婦、料理も食事も各自。作るものも食べる時間もそれぞれなのである。だが、キッチンで料理する時間が重なると、そこでおしゃべりしたりコミュニケーションをとるのが楽しい、とかかれていた。(と思う。だいぶ前に読んだので忘れている部分も大きい)

たしかに、キッチンでおしゃべりは楽しいかもしれないな、と今更ながら共感する。

けれど、読んだばかりの江國香織「アレンテージョ」には、こうあった。

おなじものを食べるというには意味のあることだ。どんなに身体を重ねても別の人格であることは変えられない二人の人間が、日々、それでもおなじものを身体に収めるということは

こちらの方が、大きくうなずける。わたし個人としては。

もちろん、さわぐち夫妻の暮らしをどうこう言うわけではない。

 

そんなふうにして、クリスマスイブの夕餉には、ポルケッタとセロリの千切りサラダが並んだ。

そして夫婦ふたり、同じものを身体に収めたのだった。

夫がポルケッタを作る横で刻んだセロリ。美しい! これだけ刻むのはたいへんではあるけれど、ぼんやりとセロリを刻むの、好きだったりするんだよね。

イタリアンパセリ、ローズマリー、にんにく、オリーブなどを刻んで巻きます。

スキレットで、全体に焼き目をつけてオーブンへ。

セロリの千切りサラダ以外は、冷蔵庫にあった野菜を並べて。

ニュースを見ながら、ポルケッタの焼き上がりを待ち、カヴァで乾杯。

焼けた~♩ ポルケッタ&櫛形のじゃが芋ロースト。

ハーブが利いてる! イタリアを思い出す味でした。美味しかった!

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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