『地球の歩き方』で、”田舎暮らし”の楽しみ方の17回をかいた。
「郷土料理をいただく」だ。
これまでずいぶん紹介してきたと思っていたけれど、山梨県のホームページの「特選やまなしの食」には食べたことのない郷土料理が数多く紹介されていた。
冷たい麺を温かい出汁つゆで食べる「おざら」や、旬の野菜を煮た汁の中に、小麦粉の団子を入れた「おつけだんご」など知識として知ってはいるけれど食べたことのない料理のほか、まるで知らない料理も多々あった。
「せいだのたまじ」も、そのひとつ。たまじと呼ばれる小さなじゃが芋を油で揚げ、甲州味噌で甘辛く煮た素朴な料理だ。
東京と隣接した上野原市の特産で、江戸時代の代官、中井清太夫が飢饉の際、じゃがいも栽培を広めて窮地を乗り切ったことから、感謝を込めてじゃが芋のことを「せいだ」と呼ぶようになったのが、名前の由来だという。
ほうとうといい、おつけだんごといい、稲作ができないやせた土地が多かったことがわかる。
その土地にもその後、堰が整備され豊かな水が引かれて、今ではすばらしくおいしいお米が作られている。
江戸時代、人の手で堰を整備した歴史も語り継がれていて、そこには、麦やじゃが芋でしのいだ時代の郷土料理と現在が流れる水のようにつながっていく絵が見えてくる。
歴史なのだなあ、と、口にする小さなひと皿に思わずにはいられない。
初めて去年打ってみた、ほうとう。
B級グルメの「鳥もつ煮」。お蕎麦屋さんで使った鶏肉の残りの肝がもったいないからと考案された、もったいないの精神から生まれた郷土料理です。
最近ようやく、美味しさを知った「馬刺し」です。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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