「豆、買ってきて」

夫にそう言われ続けながら、忘れ続けていた。

ようやく思い出したコンビニでは、カシューナッツやピスタチオしかなく、それ以外はでん六豆や柿ピーで、その間がない。

彼が欲しているのは、ウイスキーのつまみになる空豆やジャイアントコーンだと知っていたが、それでもとでん六豆を買い、無言の抗議を受けていた。

そんななか先週末出かけた松本で、帰りしな豆屋を見つけた。

「おーっ、豆屋だ」「豆屋だね」

まるでわたしたちのため、そこに店舗を構え待っていたのかと思えるほどのタイミング。夫はゆっくりと欲しい豆を厳選し、心楽しく買って帰ったのだった。

豆を忘れる。このいきさつ、道のりの成り立ちはだいたいわかっている。

わたしは間食をしない。ウイスキーを飲んでも菓子類を食べることはほとんどない。欲することもない。なので脳の「普段必要なものスペース」に、豆や菓子類は入っていないのだ。

だから、彼が欲していることもつい忘れる。

夫のためにとあれこれ心を砕き夕食の支度をしていても、じつは自分本位の冷たい女なのだよなあと、ふふふと笑いながら実感する。

松本に、ボッチャ観戦に行ったときに見つけました。

いろいろ種類があって楽しい。左から「ペペロンチーノ空豆」「いか丸辛マヨ」「辛マヨジャイコーン」「わさびグリン＆空豆」です。

記憶からも、ころんと転がりやすい形してるよね。

長野県なのに、なぜか「Also OKINAWA」というお店でランチしました。わたしは、ゴーヤチャンプルーとソーキそばのハーフ＆ハーフ。この季節に新鮮なゴーヤを味わえてうれしかった。

夫は、軟骨ソーキ丼とソーキそばのハーフ＆ハーフにしました。