雪が降ると、おでんを食べたくなる。
ということで、スーパーのおでんの具材売り場に立ったのだが、この季節ならではの現象に向き合った。
まだまだ寒い日が続くなかで、しかしおでん具材の種類は半減していた。
蛸やイカの練り物はなくなり、ごぼう天も姿を消し、牛スジも見当たらない。
いつも入れている魚河岸あげは、枝豆バージョンが並んでいた。一瞬季節がわからなくなる。
迷った挙げ句、静岡の黒はんぺんを入れてみることにした。
富士山を挟んでお隣の静岡のものは、けっこう普通にスーパーに並ぶのである。
その黒はんぺん。魚の出汁が、いい感じに大根などに沁み、ことのほか美味しかった。
「黒はんぺん」は、焼津の特産品で、鰯と鯖を使った練り物。
白いはんぺんとは似て非なるもので、食べた感じはつみれを滑らかにしたような味わいだ。
静岡で”はんぺん”といえばこの黒はんぺんだそうで、白いはんぺんを見て驚く人もいるとも聞くが、本当だろうか。
浜名湖の辺りでは、白いはんぺんも生産されているというから、静岡全県ではないのだろう。
「静岡は、新潟みたいに細長いのよ」
つい最近、耳にしたばかりだった。
黒はんぺん。黒というより、灰色の練り物です。
魚河岸あげは、はや枝豆バージョン。
黒はんぺん入りのおでんです。
黒はんぺん。灰色から薄茶色になりました。
はんぺんというより、つみれに近い味わいです。
煮込んで美味しい絹厚揚げ、大好き。でも、大根がいちばん好き。
翌朝のご飯は、卵を崩して。
ご飯にかけて食べるのが、我が家流。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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