上田では、別所温泉に宿泊した。
温泉にゆったり浸かってから、夕食は地もとの居酒屋で、焼き鳥を食べようと決めていた。焼き鳥が、上田名物なのである。
それも、普通の焼き鳥ではなく「美味(おい)だれ焼き鳥」。
「すりおろしのニンニクが入った醤油ベースのたれ」をたっぷりかけて食べるのが、上田の焼き鳥だと聞き、ぜひ食べてみたいと思っていた。
足を運んだのは、温泉宿からほど近い居酒屋「桂」。
ほぼ開店と同時に暖簾をくぐったので、カウンターで常連客らしき男性がひとりビールを飲んでいるだけ。
せっかくなので、カウンター席に座った。
調理している様子が見えるカウンターが、わたしも夫も大好きだ。
焼き鳥や、馬肉肉皿、モツ煮などを頼み、とりあえず生中で乾杯した。
そのあいだも、次々と何人かの家族連れやカップルなどが入ってきた。
地もとの人なのか、旅の常連客なのか、女将さんと親しげに挨拶を交わす人たちばかりで、店は一気に和やかな雰囲気に包まれる。
「こりゃあ、バルだね」と、夫。
「うん」と、わたしもうなずく。
地もとの人たちで毎夜賑わっていたスペインのバルを、連想した。
温泉宿でも感じたが、いや、ランチした蕎麦屋や、買い物した店などでも、不思議なほどにフレンドリーで驚いた。
(通りがかっただけなのに、餅つき中の人たちに「餅ついていきますか?」と声をかけられた)
それはたしかに、スペインのあちらこちらのバルで感じたものと、よく似ていた。
温泉宿から徒歩5分ほどの居酒屋「桂」で。
妙に箸がすすんだ、馬肉肉皿。
頭とせせり。焼き上がった頃には、ふたりともほろ酔い気分でした。焼くのに時間がかかるのも、上田流らしいです。
上田名物「美味だれ」をたっぷりかけて。店の味は、それぞれだとか。
美味だれ(美味しいたれ)は、追いだれ(後から追ってかけるたれ)でもあり、また上田の方言で「おいだれ(おまえたち)」という意味も。そんな親しみを込めてつけられたネーミングだそうです。
翌朝は、宿から徒歩6分の「安楽寺」へ。宿の方が、登りがきついからと車で送ってくれました。信州最古の禅寺だそうです。
国宝の三重塔までは、境内からもさらに登ります。(送ってもらってよかった!)
階段を登りながら見上げた、三重塔。
「八角三重塔」は、日本唯一の木造八角塔。中国宋時代の「禅宗様」という建築様式で、一番下の屋根に見える部分はひさし。昔は四重の塔といわれていたといいます。
☆今年も1年間、ありがとうございました。来年もまた、お付き合いいただけるとうれしいです。
今年もいよいよあと数時間ですね。
今年最後の旅は、別所温泉だったんですね。
風情ある山間の温泉ですよね。
スペインのバルと共通!なんか素敵ですね。
旅人に優しい街、お店ってそもそものお人柄やお国柄なんでしょうね。
10年以上前に、渋温泉、小布施、軽井沢を回った旅の1泊目が別所温泉でした。
安楽寺は拝観が4時までということで、チェックイン後に慌てて向かった覚えがあります。
この八角塔に見覚えありでした!夕方だし角度的に、どう撮っても暗くなってしまったのですが、さえさんの写真はとっても美しい塔に撮れていますね。
その後、北向観音にも行きました。
夫は善光寺にも参ったことがあるので、二つ行って満足そうでした。(笑)
今年もいろんなお話ができて、とても楽しかったです。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞよいお年を!♪
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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