和食をひと月食べずにいて、食べたくなったものは何かというと、お好み焼きだった。
去年ローマを旅したときには、無性にラーメンが食べたくなったので、今回はそれを見越して、どん兵衛とカップヌードルを持参した。
どん兵衛は、風邪をひいたときに美味しくいただいたし、カップヌードルは、暑すぎて出かけられないセビージャのランチに冷房をかけて楽しんだ。
(セビージャは、スペインのフライパンと呼ばれるほどの暑さ。10月に入ってもフライパンは確実に熱を持っていた)
それもあって、ラーメンや蕎麦を欲することはなかった。
海外から帰国して、白いご飯や味噌汁が美味しく感じたとはよく耳にする。ラーメンや寿司もわかる。
しかし、お好み焼きは聞いたことがない。
けれど、確かな欲求がそこにあった。
「ああ、お好み焼きが食べたい」
わたしが、ふっと思った瞬間、夫が言った。
「今夜は、お好み焼きにしない?」
夫婦ともに同意見だったのだから、わたしたちの食欲は一直線にお好み焼き方面へとひた走っていった、ということなのだろう。
”和食”とはいえないようなお好み焼きだが、それでも、しっかり”日本のソウルフード”なのだとあらためて認識したのだった。
我が家のお好み焼きは雑誌「dancyu」に載っていたレシピ。
キャベツ、桜えび、天かすを混ぜた生地に、豚バラ肉をのせて。
キャベツを1㎝角に切るのが、コツです。
マヨネーズは、キューピーの350gバージョンの3本口タイプを保存して使っています。細い3本線がうれしい。
生地や材料を用意するのはわたしの役目。焼くのは夫。
紅生姜たっぷりのせて、いただきます。
もうひとつ食べたくなったものは、ピーマンのきんぴら。
そして、納豆とお味噌汁。小松菜の煮浸し。野菜いっぱい朝ご飯。
大根の浅漬けと、さっぱり蒸し茄子。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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