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はりねずみが眠るとき

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映画『グランド・ブダペスト・ホテル』

2014年に映画館で楽しんだ映画『グランド・ブダペスト・ホテル』を、再び観ることができたのは、WOWOWアカデミー賞特集のおかげだ。

2015年アカデミー賞では、9部門でノミネートされ、美術、衣装デザイン、メイクアップ&ヘアスタイリング、作曲の4部門で受賞を果たした。ベルリン映画祭では、銀熊賞を受賞している。

監督は、ウェス・アンダーソン。

 

〈cast〉

ムッシュ・グスタヴ【レイフ・ファインズ】「グランド・ブダペスト・ホテル」の伝説のコンシェルジュ。完璧なおもてなしが評判。

ゼロ【トニー・レヴォロリ】天涯孤独のベルボーイ見習い。

アガサ【シアーシャ・ローナン】「メンデル」のケーキ職人。ゼロと恋仲になる。

作家【ジュード・ロウ】「グランド・ブダペスト・ホテル」を小説にする。

〈story〉

ヨーロッパ随一の超高級ホテルだった「グランド・ブダペスト・ホテル」。今はもう寂れ、客もまばらだ。作家はそこで老人に、奇想天外な過去の物語を聞くことになる。

伝説のコンシェルジュ、グスタヴと一番弟子となったベルボーイ、ゼロ。彼らは、上得意のマダムDの訃報を受け、駆けつけるが、グスタヴは殺人犯として捕らえられてしまう。グスタヴは、マダムDから遺された名画「少年と林檎」をゼロに託すのだが、親族達はそれを許さず、ふたりに追っ手が迫る。

 

まず、ポップでやわらかなピンクに目を奪われる。

けれど、映画を観ていくうちに、そのピンクは甘すぎない、ちょっと淋しげな色合いにも思えてくる。ストーリーはサスペンスだが、お伽噺を見ているかのようでもある。

物語は、コミカルな動きと絶妙な間合いでの会話が小気味よく展開されていき、シーンひとつひとつがリズムで刻まれていく感覚だ。

ブラックとはいかないまでも、シニカルなユーモアセンスが光っている。

甘さとほろ苦さ、コミカルでシリアス、洒落た小道具と人間臭さ、もちろん笑いと涙も、そんななにもかもが、どちらにも偏らないバランスで描かれている心地よさに思う存分酔わせてくれる極上の映画だ。

独特の世界観と評されるのは、それ故のことだろう。

8年前に観に行った新宿シネマカリテには、模型が飾ってありました。

ズブロフカ共和国の名は、監督が、好きなウオッカ「ズブロッカ」から連想したそうです。ポーランドのお酒です。

「グランド・ブダペスト・ホテル」と「メンデル」の箱のピンクが、映画全体に効いていましたね。色って大切だなぁ。

8年前に観たときには、この映画は「スクリューボール・コメディ」だとかいていました。

【スクリューボール・コメディ】

「スクリューボール」とは「変わり者」の意。スクリューボールな男女の破天荒な行動が大騒ぎを巻き起こすもので、基本は男女が最後に結ばれるロマンティック・コメディ。

8年前の記事は、こちら

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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