森に、リョウブの花が咲いている。
これまで気づかなかったのが不思議なほど、白く小さな花がたくさん咲いていて、驚く。
リョウブは、森に自生していた木だ。
調べれば「令法」とかくらしい。
若葉を食べられることから、飢饉に備えて植栽、貯蔵、採取を「令法」で命じられたそうだ。その字が当てられ、訛って「令法(リョウブ)」と名づけられたという。
『俳句歳時記・春』には載っていないほどマイナーな季語だが、春に分類されていた。
食べられる若葉は、4月頃、芽吹いたばかりのものらしいから、花が咲く夏ではなく、春の季語になったのだろう。
検索していたら「リョウブ飯」と出てきた。
若葉を湯がいて塩をし、炊きたてのご飯で混ぜご飯にするレシピも見つかった。昔は、よく食べられた山菜の一種ということだろうか。
注目すると、見えてくる。知るとまた、見えてくる。
先週のNHK朝の連続テレビ小説『らんまん』でも、寿恵子が言っていた。
万太郎にだけ見える木や草がたくさんあると。
あなたと同じところにいても、わたしには、草、木、山、それだけなんです。
けど万太郎さんは、そうじゃないんでしょう?
見渡す限り、誰がどこにいて何をしているのか、全部見えているんでしょう?
この山じゅうがにぎやかに、生きているのが見えているんでしょう?
リョウブの花を見て、リョウブの木を調べて、きのうより少しだけ親しくなったのだった。
きのう、2階の窓から見た八ヶ岳連峰。田んぼが青い!
梅雨の晴間。筆で描いたような雲が遊んでいました。
「山滴る(やましたたる)」は、夏の季語。
夏の山の青々とした様子。瑞々しい木々の青葉や澄んだ川の流れなどを表す爽やかな季語です。
家のすぐまえを見下ろすと、リョウブの花が咲いていました。
去年までは、気がつかなかった。
こっちにも、咲いてる。
たくさん、咲いていますね。
森を歩いて、撮りました。
きれいな白い花。
リョウブの花越しに、空を見上げて。
2階のベランダからは、南アルプス連峰も見えていました。
左から「薬師岳(2,780m)」「観音岳(2,841m)」「地蔵岳(2,764m)」と3つの山が並ぶ「鳳凰三山」です。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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