恵林寺へ桜を観に行こうと検索していたら、慈雲寺がヒットした。
まったく知らない桜スポットだが、樹齢330年にもなるイトザクラが見頃だという。
恵林寺から車で20分弱、足を伸ばして観に行くことにした。偶然が引き寄せてくれたファーストタイムだ。
しかし初めての訪問とはいえ、寺の入口の門をくぐり、こんなに驚かされるとは思わなかった。
息を飲むほどに大きく、言葉を失うほどに美しかった。
そこに桜の古木があることも、糸を垂らし降りしきるかの如く濃いピンクの花を咲かせることも、知っていた筈なのに、ネットで写真も見たばかりなのに、しばし茫然と見上げていた。
トンネルを抜けると、果たして何があるのか、いつだってわからない。
はるかに想像を越える、立ち姿だった。
長く生きて、世のなかのうつりゆく姿を見てきたものには、その時代の空気に触れてきたものには、やはり何かしらパワーのようなものが宿るのだろう。
桜を愛でに訪れた人、ひとりひとりの心の動きまでを感じとり、ただ穏やかに微笑んでいるような表情をしていた。
まるで、とびきり優しいお顔で頬杖をつく如意輪観音のようだった。
慈雲寺、入口です。小さなお寺でした。
ハッと息を飲みました。大きい。そして美しい。
写真に入りきらなくて、困りました。
糸のようにしだれるイトザクラ。
濃いピンクが、可愛らしいですね。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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