義父の三回忌で、夫の実家がある神戸へ帰省した。
猛暑のさなか、91歳の義母を外出させることはできないので、夫とふたり墓参りをし、生前義父が好きだった向日葵をアレンジしてもらった花束を供えた。
義母には、その写真を見てもらい、つつがなく法要を終えた。
その神戸で、夫の実家近くの、むかしよく行ったという蕎麦屋でランチした。
熱中症予防も兼ねて、がっつり食べようと、夫はかつ丼定食、わたしは天麩羅蕎麦をオーダー。
「この味は、山梨では食べられん」
なつかしさも手伝ってか、夫はかつ丼を褒めちぎり堪能していた。蕎麦も天麩羅も美味しかった。
その蕎麦屋には中庭に池があり、ガラス越しに2匹の亀が甲羅干しをしているのが見えた。甲羅の直径(?)20㎝くらいはあるだろうか。銭亀だ。
池を泳いでいる亀の子を併せれば、10匹くらいいる。
可愛い。亀って、こんなに可愛かったっけ? と思いつつ、じっくり観察していると、夫が言った。
「そんなに亀、好きだったなんて知らなかった」
いや、わたしも知らなかった。
『俳句歳時記・夏』によれば、「亀の子」は夏の季語。
傍題は「銭亀」で、記載がおもしろかった。
日本特産の石亀の子はその形が銭に似ていて可愛いので銭亀といわれる。
可愛いというのは、主観ではないのか? と違和感を覚えつつ読み進めると、さらに相好を崩す内容。
池や泉に固まって、甲羅を干したり、幼い様子で泳いだりしている亀の子は愛くるしい。
亀はね、特に銭亀の子は、客観的に見ても可愛いのだよ。歳時記を読み、納得したのだった。
今回も、松本から飛行機で神戸空港へ。ポートライナーからの風景です。
夫は、かつ丼とミニ蕎麦の定食。山葵たっぷりなのが、うれしい。
わたしは、天麩羅蕎麦。がっつり食べて、パワーつけました。
ガラスに写り込みして池のなかが見えませんが、亀の子もいっぱい泳いでいました。ぷかーっと浮いた感じが、なんとも可愛らしかった。
亀の子のすつかり浮いてから泳ぐ 高田正子
こんにちわ
厳しい暑さの中、神戸に帰省されていたんですね。
一つ一つの節目を迎えられて、無事に済まされてお母様もほっとされているでしょう。
ポートライナーからの眺めを見ていると、涼し気ですね。
俳句をされていると、見えてくるものが季語と結びついていくのでしょうね。
父も母も共通の趣味が俳句でした。
よく季語について話をしていました。懐かしいです。
子ども達が小学生の低学年の頃、我が家にも亀がおりました。
下の子(男)が古いペットショップでクサガメを買ってきたら、その姉も欲しくなって飼ったのが銭亀でした。
クサガメが『ラッチュ』で銭亀が『ラル』
わたしたちもきょうだいだから、この子たちもきょうだいにしようね~とかなんとかいって飼っていました。
さえさんのお陰で懐かしいことを思い出しました。
夏の季語なのですね、お蕎麦屋さんにこんな池のあるお庭があるっていいですよね。
私が行くおそばやさんにもあるんです。
石に上がって甲羅を干している様子かわいいですね。
お義父様、三回忌でしたか。
お義母さんも一安心されたでしょう。
夏の海がきれいですね!
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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