一読し終えてスタートした『20週俳句入門』だが、「俳句の型・その3」について記しておこうと思う。句の終わりに切字「かな」を使った型だ。
①下五に名詞3音の季語を置き、「かな」で終える。
②上五・中七はひとつながりのフレーズである。
③上五・中七には、切字を使わない。
④上五・中七は〈室内のもの、情景〉、下五は〈室外〉の季語を置く。
⑤上五・中七は、下五の季語とはまったくかかわりない内容である。(二物衝撃)
例句は、こちら。
金色の佛ぞおわす蕨かな 水原秋桜子
金堂内の佛を詠み、境内の蕨に目を落とした句だそうだ。
切字「かな」には、一句全体を余韻で包む効果があるという。「や」「けり」とは違ったやわらかな風情を持つデリケートな切字「かな」は下五に用いてこそ効果があるそうだ。
応用型では、二物衝撃ではなく一物俳句もある。
はなびらの欠けて久しき野菊かな 後藤夜半
上五・中七で下五の季語「野菊」を形容している。
また、下五3音の季語を、5音~7音にし、中七からの句またがりで詠む方法もある。
風の街みてゐる仕事始かな 村沢夏風
6音の季語「仕事始」が、句またがりで使われている。
ほかにも下五に、切字「かな」をつける、ということ以外には縛りがない応用型もあった。
詠んでみた句は、こちら。
椅子にのり大皿出して夕立(ゆだち)かな
〈室内〉と〈室外〉の組み合わせが、思った以上に難しく、これで意味が通じるのか、想像が広がるのか、釈然としない霧のなかにいるような気持ちが残る。
20週、終わった頃には、霧が晴れているとよいのだが。
”椅子にのり大皿出して”の代表が、伊万里焼のイゲ皿。家を建てたときに、2枚設計士さんに、お祝いにといただきました。
手巻き寿司をするときには、必ず使います。
詠んだ句は、帰省する家族を迎えるときのようなイメージです。
ちょっと深めの大皿も、よく使います。
セロリの千切りサラダは、いつもこれ。
ピザのときに使う大皿は、これと。
これ。ピザが大きすぎて、大皿が見えませんが(笑)
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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