家の隣には、夫が整備している森がある。
樹木を間伐し、そこで薪を割ったり、薪小屋を作って置いたりしている。
久しぶりに、その森を歩いた。
木々に残った色を放っていく途中の薄茶色の葉。そこから舞い降り土を覆う枯れ葉たち。松ぼっくりやどんぐり。立ち枯れしたススキ。そのあいだで濃い緑色を輝かせる赤松の新芽。ノコギリソウや春蘭の細長い緑の葉も見える。枯れた漆がまた新芽を出し、その小さな芽が真っ赤に紅葉している。
森には、樹木には人にリラックス効果をもたらす「フィトンチッド」と呼ばれる物質が含まれているという。
緑が枯れた季節であるこの時期も、フィトンチッドはパワーを発しているのだろうか。
科学的なことはよくわからないが、歩いていると、気持ちがとても穏やかになっていくのを感じた。
たぶん冬でも、少なからずフィトンチッドは発せられているのだろう。
緑萌える季節よりも、きっとその成分は少ないのだろうが、木々が静かに眠り始めた初冬の風景の方が、心が落ちつくようにも思うのである。
隣の森と、写真を撮るわたしの影。
松ぼっくりが作った自然のリース。
苔生した古い切り株。
漆の芽が間違って出てしまったのか、真っ赤に紅葉していました。
赤松の新芽は、たくさん伸びています。赤松は倒木が危ぶまれ、昨年すべて切りました。
ノコギリソウは、このまま冬を越すのかな。
見上げた空。気持ちいい。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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