神戸でひとり暮らす義母に頼まれて、ネットで「松栄堂」の匂い袋を送った。
誰が袖(たがそで)シリーズの「みやこの香り」。
華やかな香りでやさしい残り香が漂います
とある。
色よりも香こそあはれと思ほゆれ 誰が袖ふれし宿の梅ぞも
匂い袋についていた、よみ人知らずの歌だ。
梅はその色彩よりも香りの方がしみじみと趣深く思われる。宿の梅に誰かの袖がふれて、その移り香が香っているのだろうか。
というような意味らしい。
むかしの人は着物のたもとに、衣袖の形に作った匂い袋を紐で結び携帯していたという。その匂い袋を「誰が袖」と読んだそうだ。
以前購入して車に乗せてある匂い袋が香らなくなったので、自分用にも同じものを同時購入した。
柄は選べないが、やわらかなピンクのしだれ梅柄と、落ち着いたブルーの幾何学模様の2つが入っていて、とても気に入った。
「お玄関に置くのよ。いい香りねえって、気づいてくれる方もいるの」
義母に倣い、ひとつは玄関に置いた。
置物「沈思」の隣りに、ブルーの方をそっと置くと、静かに匂いが広がった。
離れて暮らしていても、同じ匂いに心和む瞬間がある。
それって、ちょっと素敵だ。
我が家にやって来た2つの匂い袋。義母のところには何色のどんな模様が届いたでしょうか。
裏返すと、柄の雰囲気が少し変わるのも楽しみのひとつです。
ちょっと違いますが、武田信玄公の家紋と似た四つ菱が入っていました。
玄関の「沈思」は、変わらず思い沈めています。
さえさん、遅くなりましたが、神戸のお義父様の事、お悔やみ申し上げます。
離れているので何かと大変だった事と思います。
お義母様に匂い袋送られたのですね。
さえさんは車の芳香剤代わりに使われてるって前にも書かれてましたよね。
松栄堂の匂い袋は可愛いですね~
根付みたいにバッグなどにつけてもきっと可愛いでしょうね。
お義母様はどうやって使われるんでしょう。
お土産にいただいたりしたものは、よくタンスに入れたりしていました。
引き出しを開けた時だけでなく、ハンカチや下着にほのかな香りが移るっていいなって思ってました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。