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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

試着室のなかで決意したら

東京に出た際、買い物をした。

6月に出席する結婚式で着るフォーマルなワンピースを、探していたのだ。

安価では済ませられそうにない買い物なので、慎重になる。新宿デパート巡りをし、西口、新南口と歩き疲れてへとへとになった。

 

いや。へとへとになったのは、歩き疲れたせいではないかも知れない。

最近本屋で目につくのだが、いまだ手にとっていない文庫本がある。

尾形真理子の『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う』(集英社文庫)。

切ない恋のストーリーを収めた短編集らしい。「ルミネ」の広告コピーから生まれた、今の自分が好きになる5つの物語、と紹介文にある。

「試着室って、そんなに特別な場所なのかな?」

そんな疑問もあり、遠目に眺めるだけに留まっている本だったのだが、そんなわたしがどっと疲れたのは、カラーフォーマル売り場、試着室でのことだった。

試着室の鏡に映った自分は、家の鏡で見る自分とずいぶんと違っていた。ワンピースの申し訳程度についている袖から突き出た腕は、はっきり言って自分で認識している以上に太って見えた。試着室の鏡は、まったくもって容赦がない。否応なしに、真実というものを突き付けてくる。正論を言うやつは嫌われるんだよ、と教えてあげたくなる。で、つぶやいたのは、

「試着室で決意したら、本気のダイエットだと思う」

これ、百年後には諺になってるかも。

 

しかし、同じワンピースを着て試着室の外へ出ると、周囲の空気が広がったせいか鏡に映った自分の姿は、普段見るものとそう変わらなくなっていた。

摩訶不思議である。そしてそれは、試着室ならではの摩訶不思議なのだと3つのデパートの試着室で思い知った。

狭い空間。ひとりだけのスペース。初めて着る服と対峙する緊張感。

空間の広がりが、こんなにも目に見えるものを変えるものなのだと知り、ひどく疲れてしまうほどに驚いたのだった。

 

さて。3つのデパートを回り、傷つきながらも試着を繰り返し、濃いターコイズのシンプルなワンピースを気に入ってゲットすることができた。

「とりあえず、6月までに1キロやせるぞ!」

手の届く範囲で設定した最小限の目標。果たして、達成できるだろうか。

乞うご期待!(笑)

CIMG6661新宿駅新南口にある憩いのスペース『ペンギン広場』です。

CIMG6654ラベンダーっぽい花、いろいろ咲いていました。

CIMG6659シャガの花も、咲いていました。

CIMG6663やさしい色の花が多かったです。リッピア。

CIMG6670小田急百貨店のカラーフォーマル売り場隣り『七葉』でランチ。ちくわの茶葉天、久しぶりに食べました。美味しかった!って、いきなり天麩羅食べてるし。

COMMENT

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  1. ぱす より:

    試着、お疲れ様でした。
    もう、手に取るように気持ちがわかりました!
    今更、もういいんですけど(私は)、でもやはり少しは素敵に
    映りたい・・って思いますよね。

    1キロ頑張ってくださいね。1キロでいいなんて、うらやましい。
    私も、さえさんとの3キロの約束は(ずいぶん前ですね)
    果たしたけれど、また元通りを何度か繰り返しております。

    天ぷら美味しそう!私もぶっかけうどんにはちくわの天ぷら欠かせません。

  2. さえ より:

    ぱすさん
    わかってくださって、ありがとうございます!
    少しでもきれいに映りたいって、いくつになっても女性の心理ですよね~
    3キロ減の約束・・・あれからわたしも体重変わっていません(笑)
    だからふたたび1キロから始めようと思っただけのことで、1キロでいいとは思ってないんですよ~
    久しぶりに食べた揚げたてのちくわの茶葉天、やめられない美味しさでした♩

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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