NHK俳句大会に投句したうちの一句は秀作をいただいたが、もう一句も佳作には届かなかったが入選していた。
小さき富士都営団地の女正月
実家の都営団地は14階建てで、11階のエレベーターホールから富士山が小さく見えた。母と眺めた冬の日を思い出し、詠んだ句だ。
詠んだときには、実際にあったことを俳句にしただけだったのだが、構成を考えているうち、遠近の妙、ロケーションの変化を詠む、というのに挑戦してみたくなった。
「小さき富士」は、遠くかすかに見える富士山。
「都営団地」は、今いる場所。
「女正月」は、さらにそのなかの部屋でくつろぐ、わたしたち。
どこから始めるか考えて、遠くから近くへと詠むことに決めた。
普段暮らしているなかにも、遠くと近くとは隣接している、同じ場所にあるのだと不意に知らされる瞬間がある。
八ヶ岳の上空に広がる雲が、言葉にできない神々しさを放っていた一昨日。
その手前、森ではミツバツツジが満開になっていて、雨を浴びた原木に椎茸が笠を広げていた。さらにそれを食卓に出せば、口に入れれば、もっと近くなる。
こういう瞬間を詠めたらいいのにと思いつつ、ただただ雲を、山を、花を、椎茸を眺めたのだった。
窓から見て雲の神々しさに惹かれ、あわてて2階に上がり撮った1枚。
窓からこの風景を見られる贅沢に、感謝です。
田んぼでは、御田植えの準備、代掻きがずいぶん前から始まっています。
夫が整備している森で。夫が、八ヶ岳をバックに撮っているのを真似ました。
ミツバツツジは、満開です。
八ヶ岳を眺めた北側の窓の下には、椎茸が育っていました。
小さめのは残して、収穫。
バター焼きにしました。めっちゃ美味しいんです。旨味が濃く、歯ごたえがたまらない。
さえさん、佳作に入った句もいいですね。
情景が浮かぶような句です。
お母様との大切な思い出、なるほどと思いました。
向田邦子さんの小説の一こまのようでもあります。
ミツバツツジが美しいですね。
アングルがまたいい!
椎茸も美味しそう、我が家もいつぞや親戚から金家をした榾木を貰い受けたのですが、環境が悪くてしいたけは収穫できませんでした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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