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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

「ティッセン・ボルネミッサ美術館」

マドリッドには数多くの美術館があるが、今回は「ティッセン・ボルネミッサ美術館」へ行こうと相談がまとまっていた。

ティッセン・ボルネミッサさんがコレクションした数え切れない絵画のなかのひとつ、ゴッホの『オーヴェルの風景』を観たかったからだ。

ゴッホは、37歳の若さで亡くなる直前、2ヶ月ほど過ごした田舎町オーヴェルで時間を惜しんで日々絵を描き続け、多くの絵を遺したという。

 

先月原田マハ『リボルバー』『たゆたえども沈まず』を読み、ゴッホやゴーギャンの生き様に興味が湧き、読後、ゴッホの画集をじっくりと見つめる日々をしばらく過ごした。

また小説を読んだ限りでは、ゴッホとの共同生活に、彼との画家として友人としての関係に苦しみつつ、自分の絵を模索し続けていたゴーギャンにも、注目するようになっていた。

 

「ティッセン・ボルネミッサ美術館」で驚いたのは、そのゴーギャンの絵を十数点集められた部屋があったことだ。

ゴーギャンの絵は、ゴッホとともにいた頃と、離れたあととでは大きく変わっていた。それは無論、その時期にゴーギャンがタヒチに渡ったことが大きいのだろう。

だがゴッホの死後、タヒチに渡ってからのゴーギャンの絵は、何かから解き放たれたように見えた。

そこにゴッホとの共同生活の破綻、ゴッホの死が関係していないはずはない。

 

「ティッセン・ボルネミッサ美術館」では、地上階(0階)には、ピカソ、ミロ、ダリなど19世紀から20世紀のモダンアート。1階には、17世紀オランダ絵画からルノアール、モネ、ゴッホなどの印象派まで、2階には、中世から18世紀の宗教画などを集めている。

 

印象派が、自分の絵が、世のなかに認められないまま死んでいったゴッホ。その頃これこそが芸術と叫ばれていた中世の宗教画の美しさに触れ、印象派を認めたくなかったアーティストたちのこだわりが胸に落ちたのだった。

そんな時代背景や画家たちの葛藤も、原田マハの2冊のミステリを読み、知ったことだ。

小説を読み、画集を観て知って、また絵画を観る。これって、すごくおもしろい。

マドリッド、アトーチャ駅。

そこからバスに乗って、バス停「Neptuno」へ。

徒歩5分ほどで、「ティッセン・ボルネミッサ美術館」に到着。

ゴーギャンの絵をディスプレイしたエントランス。

1枚だけ写真に収めたゴッホ『オーヴェルの風景』。

その後、美術館から歩いて15分ほどの「サン・アントン市場」でランチしました。

市場というより、フードコート&ショッピングブースといった感じの小さなモールです。

明るく洒落た現代的な空間。

見上げると、3階はレストランになっていました。

不思議な雰囲気だったので、パチリ。これも、アート?

2階がフードコートになっていて、好きな店で買ってカウンターのようなテーブルで食べるようになっています。タパス&ビール。

なぜか美食の街サン・セバスティアン風のタパスが多かった。

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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