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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

天麩羅

週末、庭のふきのとうを摘んで天麩羅にした。

いつもはふきのとうだけを天麩羅にして、ほかのメニューはまったく別に考えるのだが、夕食を天麩羅にしようということになった。

 

さつまいも、椎茸、ちこり、ピーマン、海老、鰯などを揚げた。

蕎麦屋の天麩羅のように、きれいに盛り合わせるのにもちょっと憧れるが、我が家の天麩羅はむかしから揚げたてをテーブルに運ぶ。具材も同じものを一緒に揚げた方が火の通り方も均一なので、さつま芋はさつま芋だけ、椎茸は椎茸で揚げる。なのでわたしは、居間のテーブルとキッチンを何往復もすることになる。

ビール片手に、行ったり来たり。それもまた、我が家の天麩羅なのである。

「そんなの、たいへんじゃない」

友人に言われたことは何度もあるが、同じようにしている主婦もけっこう多い。

天麩羅は揚げたてじゃなくちゃ、というところをどうしても譲れないのだ。天麩羅の食卓への出し方は、それぞれの家庭の味と言ってもいい。

 

ところで、今どきの天麩羅粉はスグレモノで、卵を溶かなくていいうえに混ぜすぎても氷水で溶かなくてもカラッと揚がる。足りなくなったら少量足せばいいのでムダも少ない。むかしは、卵をもうひとつ割り余ってしまう種を作るのがもったいなくて、それが悩みの種だったっけ。

そんなふうにスグレモノが登場しても、むかしのやり方を知っている同年代の人は多い。

「氷水を入れて種を冷やすとカラッと揚がる」

天麩羅粉を使いながら、いまだにこれだけはやっているという話を、どこで聞いたのかすっかり忘れたが、どこかで聞いた。

「冷水はいりません」ときっぱりかいている天麩羅粉の表示を信用し、氷水とすっかりさよならしてしまったわたしとは大違いだ。

こうやって、新しいもの、便利なものを同じように使いながらも「我が家の味」というのは、みな違ってくるのだろう。

氷水の種も一度やってみようと思いつつ、氷が解けて種が薄くなるわずらわしさから、未挑戦のままである。

庭のふきのとうも、もうおしまいです。

春の苦味。たっぷり味わえました。

ふきのとうの天麩羅は塩ですよね。

ポルトガルの塩の花を使ってみました。普通の味だった(笑)

天麩羅にしたら、まったく苦味がなくなったちこり。

キスやワカサギがなかったので、鰯。新鮮な鰯でした。あとは、写真に残っていませんでした。

 

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  1. 彩夏 より:

    こんにちは。
    読みながら漫画の『美味しんぼ』を思い出しました(笑)
    今日は彼岸の入りですね。暑さ寒さも悲岸まで、と言いますが、小さな春を眼で舌で耳で…五感をフル活用して楽しみつつ、大いなる春を待ちたいです(*´ω`*)

    • さえ より:

      彩夏さん
      『美味しんぼ』ですか~光栄です(笑)
      今日、彼岸の入りなんですね。
      眼で舌で耳で、五感で。
      そうですね。小さな春、見逃さないようにしたいですね。
      今日の北杜は、陽は暖かなのに風が冷たく山が澄んで綺麗でした。
      大いなる春は、まだ遠くも感じられます。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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