「誕生日、何食べたい?」
と夫に訊かれ、即答した。
「松竹園の焼き肉!」
還暦を迎えるとは思えない肉食ぶりだ。
「松竹園」は、夫の高校時代のサッカー部のチームメイトが夫婦で営んでいる神戸三宮の焼き肉屋さんで、ここの肉がめちゃくちゃ美味しいのである。
コロナ禍で、取り寄せて卓上七輪で焼くようになり、自宅で食べられるようになってさらに身近になった。
年末大晦日も娘たちと焼き肉で盛り上がり、「松竹園」には感謝している。
前日に冷蔵便で届いた箱のなかには、注文した肉のほかに、ホルモンかつも入っていた。
「奥さんの還暦祝いに」とプレゼントしてくれたのだ。
手作りのソースもついていて、夫のLINEに「焼き肉のタレと同じ容器に入れたから、間違わんように」と注意書きがあったという。
「でもさ、これじゃ間違えようがないよね」
「ほんとだ。しっかりかいてあるじゃん」
「ソース」「タレ」としっかりかいてあるそれを、どうして間違えよう。
しかし、「前夜祭だね」とかつを揚げ、わたしがテーブルに出したのは、彼が心配した通り「焼き肉のタレ」だった。
還暦とは、こういうものだと前夜祭から実感したのだった。
上から時計回りに、ホルモン、タン、ミノ、ロース、アバラ、ハラミ。
最初は、タン塩から静かに始めました。
アバラを焼くと、脂が垂れて火が上がります。サッカーの日本代表も快勝して、盛り上がりました。
これが、タレです。
前日に食べた、プレゼントのホルモンかつ。食べたことのない味で、まるで海外の料理みたい。美味しかったんです、これ。
遅くなりましたが・・・
さえさん、還暦のお誕生日おめでとうございます。
お肉のお取り寄せだなんて、そんなお祝いもいいですね。
美味しいものや、気に入ったお店は、何度味わってもいいですね。
へたに新しいところを開拓してがっかりするよりは、とびきりの美味しさを知っているお馴染みの味が安心するのですよね。
神戸から冷蔵で届いたお肉は最高だったでしょう。焼き肉やさんのたれは、また格別ですよね。
私も、お肉大好きです!美味しいお肉をちょっとだけ・・・・。それがいいんです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。