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サラマンカ~新旧寄り添うカテドラル

サラマンカには、寄り添うように隣り合わせに建つ新旧カテドラルがある。

旧カテドラルは、12世紀に建てられたロマネスク様式。

新カテドラルは、16~18世紀に建造されたゴシック様式。

新旧ふたつのカテドラルがくっついて並び、内部がつながっているのはとても珍しいそうだ。

 

その非常に珍しいといわれる新旧ひとつになったカテドラル。

理由はないに等しい。

旧カテドラルだけでは人が増えて狭くなったから、大きくしようと新カテドラルを建てた。それだけ。

でも、そこで旧カテドラルを取り壊したり、ほかの土地に大きなカテドラルを建ててそこを街の大聖堂にしようとしなかったことが珍しいらしい。

古きを認めて尊び、新しきを受け入れて分け隔てなく大切にする。

それが、サラマンカの文化なのだと感じた。

 

新カテドラルのファサードには、プラテレスコ様式が取り入れられ、すぐ近くの「サン・エステバン修道院」のチュリゲラ様式の祭壇衝立は見応えがあった。

その時代時代に発展した建築技術は、競い合うものではなく、調和してこそ美しいのである。

 

ロマネスク様式(10~12世紀)半円アーチを多用し、分厚い壁に小さな窓を開けている。

バロック様式(12~15世紀)尖頭アーチ、交差リブなどで天井を高くし、窓を大きく作れるようになり、ステンドグラスが発展。

ムデハル様式(12~16世紀)イスラム文化と中世キリスト教文化の融合。

プラテレスコ様式(16世紀)ゴシックにイタリア発祥のルネッサンスを取り入れたスペイン・ルネッサンス建築。

チュリゲラ様式(17~18世紀)ねじり柱や彫刻を多用するスペイン・バロック末期の建築様式。

左が、新カテドラル。右が、旧カテドラル。

細かい彫刻が施されたゴシック様式の新カテドラルに比べ、ロマネスク様式の旧カテドラルはとてもシンプル。

新カテドラルの正面ファサードは、「プラテレスコ様式」の傑作とされています。

なかに入ると、天井が高く厳かな雰囲気の教会のなかに、モノクロームの顔写真が並べられていました。サラマンカゆかりの著名人でしょうか。

新カテドラルの天井。

新カテドラルの祭壇とパイプオルガン。

旧カテドラルには、壁画が描かれた礼拝堂がありました。

旧カテドラルのきらびやかな祭壇。

さて。一度外へ出て、新旧カテドラルの屋上へ。写真右が入口。

お~、気持ちいい!

新と旧のあいだを歩きました。

旧カテドラルのガージョ(雄鶏)塔。スペインでもっとも調和のとれた美しい塔だそうです。鱗のような模様が可愛い~♩

手前の白い線が「旧カテドラル」で、奥の黄色い線が「新カテドラル」。

「サン・エステバン修道院」。コロンブスは、ここに滞在しサラマンカ大学で天文学を学んだそうです。

「チュリゲラ様式」のねじり柱と彫刻。「チュリゲラ様式」発祥の建造物といわれています。

 

 

 

 

 

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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