取材に出かけるのも考えてしまうような状況になってしまった。
それでも月4本はアップしなければならず、富士山を追いかけている。
3月初めの記事をかくため、通るたびに富士山が綺麗だなと思う橋、双田橋で写真を撮った。
ショッピングモール「ラザウォーク」のすぐそば。手話教室に行くときに通る橋だ。
車社会の山梨では、車でよく通る道でも歩いたことがない場所が多い。
まだ冷たい空気を吸い込み、それでも青空の下ゆったりと大きな橋を歩くのは気持ちがよかった。
歩道も幅が広く、ときおり自転車が通り過ぎてゆく。
不意に、思う。
「ここも、空の一部なのかも知れない」
すると、自分の立っている場所がひどくあいまいなもののような気がして、ついと頼りない気持ちになった。
そういえば、同じような頼りなさを感じたばかりだ。
安定した場所にいるのだとばかり思っていたのに、生活用品がなくなるとの情報にふりまわされ、ガラガラと立っていた場所が崩れていくような不安を覚えたときとよく似ていたのだ。
そんな頼りなさをふりはらうように頭をふり、しばし立ち止まって雪を頂いた山々をただ眺めた。
手話教室の帰り。よく晴れた空と八ヶ岳を望む双田橋。
富士山が綺麗に見えるのはよく知ってたけど。
歩いて渡ったのは初めてでした。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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