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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

春の釣り人

週末、鶏だんご鍋をした。

「わたしも、日本酒、いただこうかな」

そういうと、夫が珍しく気に入りの古九谷焼きのぐい飲みに注いでくれた。古九谷といってもその写しなので高価なものではないのだが、彼がよく使う器で、普段わたしは遠慮して使わずにいる。川辺で釣りをする男の絵が描かれたものである。

「あれ、釣り人がいない?」

久しぶりに酒を注ぎながら、夫が言う。小さな絵なので釣り人が風景の一部のようにも見える。たぶん小さな器の小さな絵だが、その存在感は大きく、もっと大きなイメージがあったのだろう。

「春だからね。どこかいっちゃったのかな」

そんな軽口をたたきながら、冷やをいただく。

 

春だから。春なのに。

流行り歌にも、いくつもそんな歌詞がある。

ここ田舎では、春になると道を歩く人を見かけるようになる。畑に行く人、ウォーキングする人、道端で井戸端会議する人。運転していると、気温と比例してわらわらと人が湧き出てくるように思えておもしろい。

 

ぐい飲みの釣り人も、そのうちうっかり春の陽気に誘われ、出かけていくかも知れない。

いつもは、鶏だんご、水菜、椎茸、豆腐、葱なんですが、いただいた白菜も入れました。甘めの味つけ。鰹だしと昆布のだしに砂糖1:薄口醤油2:酒2の割合で。(覚え書き)

釣り人がいるぐい飲みです。

お酒は先週夫が薪割り機の修理に出かけた伊那の近く、高遠の「やまむろ」でした。すっきり辛口。

色がうまく出ませんでしたが、釣り人はこんな雰囲気です。

鶏だんご鍋は、翌朝もいただきました。

COMMENT

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  1. ぱす より:

    九谷のぐい呑み、いい感じですね。絵付けがとてもきれいだし、ぽこぽこした感じ・・が
    私は、また好きです。

    春なのに・・・って、誰の曲でしたかね?
    柏原芳恵?だったでしょうか?声は頭に、浮かんできますね。

    • さえ より:

      ぱすさん
      古九谷のぐい飲み、いいでしょう。
      緑色に深みがあって、わたしも気に入っています。
      『春なのに』わたしもうる覚えだったので調べてみました。
      1983年に柏原芳恵が歌ってヒットしていますね。
      作詞作曲は中島みゆきでした。卒業ソングでよく歌われてきたそうです。
      卒業シーズンですねえ。

  2. hanamomo より:

    こんばんは。
    なんとも風流な古九谷のぐい飲みですね。
    釣り糸をたれている人,のどかでいいですね。

    お鍋にお酒、こちらも寒くて今週中ぐずつきそうです。

    • さえ より:

      hanamomoさん
      おはようございます♩
      夫が選んだものですが、わたしが選ぶものとまた違って食卓に色味が出る気がします。
      家族と暮らすって、そういうことなんですよね。
      釣り人ののどかな風景。
      春を感じますが、まだまだお鍋が美味しい季節でもありますね。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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