夫が整備している隣りの森で、ミツバツツジが咲き始めた。
三枚ずつ葉を開く種類の(だからミツバツツジというのだが)野山に自生する薄紫の花を咲かせるツツジだ。
夫は草刈りをしながら、刈らないように大切にしていたらしい。
20年前に田舎に越してきて暮らし、季節の移り変わりを木々の花たちに順々に教えてもらうようになったのだと実感する。
川崎の街で幼かった子どもたちと日々を過ごしていた頃には、よく季節を忘れていた。今が何月であるのか、考えて頭が真っ白になることも一度や二度ではなかった。花々に目を向ける余裕すら、なかったのだろう。
マンションの小さな庭にハナミズキが白い花を咲かせているのを見つけ、毎年ハッとした。
「いつの間に」と、まるで騙されていたかのように、春が来ていたことをすぐには受け入れられず、理不尽ささえ感じたりした。
あの頃よりも、今の方が多くのことを忘れ去ってはいるのだろうが、忘れるまえに木々の花たちが季節を教えてくれている。
春だよ、もう春だよ、と。
森と庭のあいだでは、プラムの白い花が満開です。
雪のような白です。
窓から見下ろすと、こんな感じ。朝カーテンを開けた途端目に入ってくるのがうれしい。
そして、窓から遠目に見えるミツバツツジ。
小雨に濡れながら咲いていました。
桜よりも大人っぽいピンクに近い薄紫色ですね。
森の春蘭も、今、満開です。
苔も雨に濡れて、生き生きとしていました。
庭の雪柳もだいぶ咲いてきました。
可愛らしい花ですよね~♩ 徳光さんがいちばん好きな花です。
ふきのとうも、今シーズン最後の花が苔のなかで小さく咲いています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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