富士山は、特別な山だ。
日本一の高さ。雪を冠する凜とした姿。左右対称にも思える形は、正しさやまっすぐさを思わせる。曲がり始めた心を矯正してくれるかのようなまっすぐさだ。
『地球の歩き方』の「人気の山梨県北杜市”田舎暮らし”の楽しみ方」シリーズで、「マイ富士山スポットを見つける」をアップした。
山梨県のなかではもっとも北にあたる北杜市からも、南に富士山を望むことができる。
それぞれの富士山を見つけてほしいという思いで、かいた記事だ。
記事をかいていて気づいたのは、マイ富士山スポットは、わたしにとってひとつではないということだ。
日々車で通る道から見かける富士山。
たまに通る坂道を下ると突然姿を現す富士山。
夫の写真展の行き帰りに、応援してくれるかのように笑っていた富士山。
どれも、マイ富士山スポットだ。
日々見かける場所もそうだが、その時々に感じていたことや思いをその場所の富士山に記憶している自分に気づく。頭ではなく心に。そこを通ったときにふと思い出すような何気なさで、記憶しているのだ。
夫の写真展は、やはり特別な体験だったし、日々通る道から観た富士山は、娘たちを送り迎えした小さな朝を思い出す。坂道を下ったところから観た富士山には、忙しい毎日にへとへとになっていた若かった自分を励ましてもらった一瞬がよみがえる。
富士山が見えない場所で、わたしは暮らしていけたのだろうか。
たぶん、暮らしていけたのだろう。けれど、違った日々になっていたに違いない。
これはいちばん多く見ているであろう須玉町大豆生田から望む富士山です。
マイ富士山スポットその1は、町内の三村橋(さんそんきょう)から見た富士山。
YasuoMaedaの二人展からの帰り道に観ていた富士山。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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