能登町では、前回訪ねた珈琲店「マッハコーヒー」を訪ねてみた。
40代のオーナーは、山梨から来た風変わりなシニアの夫婦のことを覚えていてくれて、オーダーした珈琲を飲むあいだいろいろな話を聞かせてくれた。奥能登は、地震の被害の後、およそ半年後の夏に豪雨災害に遭っている。
「町野(まちの)地区は、もうほんとうにかわいそうで」
彼は、自分の店も半壊して修繕中だというのに、よその地区の人たちを放っておけなかったらしい。
「珈琲を飲む店がないっていうんで、『まちのブレンド』っていう珈琲を作って、毎週通いましたよ」
珈琲が飲めない暮し。それは、嗜好品は我慢とかではないレベルで、何もかも我慢のなかでホッとひと息つける場所もモノもない、そんな悲鳴のようなものなのだと、オーナーは語った。
「このブレンドは、トイレに行きたくならないように、半分カフェインレスにしてるんです。でも珈琲の風味は感じたいじゃないですか。そこは、こだわりました」
珈琲タイムにホッとすることと、利尿促進効果でトイレに行きたくなることは、隣り合わせだ。けれど水害に遭った町野地区では、水回りが壊れている家も多く頻繁にトイレに行くこともままならない。プロの珈琲店ならではのささやかな、けれどとても大切な復興支援を垣間見た気がした。
「まちのブレンド」の豆を買って、先へと進んだ。
町野地区を通って、輪島へと向かう。
町野は川沿いに集落が伸びる地区で、車を走らせながら、この町で起こった震災、豪雨災害を想像した。そして「まちのブレンド」を淹れているマッハコーヒーのオーナーを、そこで暮らしている人たちを、思い浮かべた。
こんな関わり方くらいしかできないが、きっとこれからも、わたしたちの能登半島の旅は続いていく。

「マッハコーヒー」で購入したもの。能登牛キムチも作っていました。

帰ってきて、さっそく淹れてみました。

思ったより、深煎りの色。

そういえば、ドリップする湯の温度は85℃~90℃と教わったのも、マッハコーヒーでした。

しっかりとコクが感じられる、おいしい珈琲でした。
能登への再訪、じっくりと拝見しておりました。
一人一人の支援が被災された人たちを救っていくのだと思います。
まちの珈琲、すごい配慮ですね。
半分はカフェインレスなのですね。
それに、コーヒーは熱いお湯で入れればいいと思い込んでいたのですが、こうしてじっくりと抽出するのがいいのですね。
息子もそういっていたな~と思いだしました。
それにしても、天災って悔しいですね。
だけど前に進むしかないのが人生なのですね。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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