『韮崎大村美術館』で、メモ魔とも呼ばれた大村智博士が備忘録帳「腹中有書」に集めてきた言葉を収めた著書を購入した。
『人生』『仕事』『教育』の3つに章立てされている。
いくつかの言葉を、抜き出してみようと思う。
「恕(じょ)」
「恕」とは思いやりの心のことです。『論語』の中で、「一生涯貫き通すべき一語はありますか」と弟子に聞かれた孔子の答えがこの「恕」でした。ただ、思いやりの心は、実行することがなかなか難しい。人の気持ちを汲めるようになるためには、想像力を磨かなければなりません。今、若い人たちに一番伝えたい言葉です。
「一水四見(いっすいしけん)」
「人間にとっての水は、天人にとっては宝の池、餓鬼にとっては燃え盛る血の膿、魚にとっては棲家であるように、見るものの心が違えば対象も違って見える」という意味です。大乗仏教の見解の一つである、唯識のものの見方です。
「不可能の対義語は可能ではなく挑戦です」
少し前に何かで読んで書き留めた言葉です。物事をやり始めたら、たとえ失敗を繰り返しても諦めずに挑み続けることです。それが自分のやりたいことならなおさらです。成功した人というのは、人の二倍も三倍も失敗しているのです。
「井戸を掘るなら水の湧くまで掘れ」
幕末から明治期にかけて活躍した石川理紀之助の言葉です。『心のじょうぎ』より。
「人のためになることを考えてやりなさい」
子供時代、祖母から繰り返し教えられた言葉です。私は、研究の分かれ道が来るたびに、この言葉を思い出して判断を下してきました。何か一つでも人のためになることができないものかを考えて、微生物がもっている能力をなんとか引き出す方法を求め続けてきたのです。
『こころのヨーガ』のときにも感じたが、読んで心に留まる言葉というのは、そのときどきの心の持ちように大きく左右されるのだろうと、あらためて思った。
「書いた物を読むときと違い人に会い話をすると心が動く」
これは自分でもいつも思っていることだが、今年は多くの人に会い話をしようと、年初めに考えたのだった。
しんげん【箴言】① いましめとなる短い句。教訓の意味をもった短い言葉。格言。 「 -集」② 〔The Proverbs〕 旧約聖書の中の一書。伝承されていた格言・教訓などの集成。知恵文学に属する。
大辞林第三版より
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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