些細なことなのに、無闇に気になってしまう。
右足薬指の爪がダメになり、新しい爪が生えてきている。
痛くはないのだが、矢鱈と気になる。
夜中に目が覚めても、朝食を食べていても、洗濯物を干していても、運転していても、スーパーをゆっくりと歩きながら買い物していても。
ホーチミンの日本人街レタントンでフットのジェルネイルをしてもらったときに、ベトナム人の女の子に新しい爪が生えてきているからネイルした爪がとれるかも知れないと言われた。(もちろん通訳してもらった)それでもいいとしてもらったのだが、半月経ち、とれそうでとれない宙ぶらりんの感じが続いている。
まるでそこに小さな火が灯っているかのように、無闇矢鱈と気になってしまう。
些細な悩みごととは、こういうものかも知れない。
気になってくよくよして、だが爪がぽろりととれたら、思い出すこともないくらいきれいさっぱり忘れてしまうのだろう。
心のなかにも、足の爪ほどの悩みがいくつかある。なかなかぽろりととれてはくれないタイプのものもあるが、じきに忘れる日もやって来る。そんな繰り返しだ。
足の爪を見つめ、生きていくってこういうことかも、と思ったりもする。
じつは些細なことにくよくよしている自分が、わたしは嫌いじゃない。
家ではいつも、5本指靴下を履いています。
今シーズンは、暖かい厚めのものを選びました。
ベトナムでしてもらったジェルネイル。約3,000円でした。日本の半分以下お値段です。シェルが入った右薬指の爪が生え変わり中。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。