森を挟んだお隣りのご主人に、美味しい馬肉を売る国産馬肉専門店があると教わり、夫が買ってきた。
馬刺しは、注文してからスライスしてくれるという。
鮮度の高い生肉を扱うのが自慢の店ならではだ。
その馬刺しは、馬肉のイメージを塗り替えるほどの美味しさで、ふたりで200g完食してしまった。
馬肉は美味しいだけじゃなく、ヘルシーで身体にいい栄養を豊富に含んでいるというから、たくさん食べてもいいことにしよう。
ところで、馬肉のことをよく「桜肉」と呼ぶのを耳にする。
語源を知るには、江戸時代前期の「生類憐みの令」まで遡らなくてはならなかった。
生き物を食べることが禁忌となったこの時代、商人たちは困り果て、肉に別名をつけることを思いついた。畜産業では「鶏=かしわ」「馬=さくら」、狩猟を生業にする者は「鹿=もみじ」や「猪=ぼたん」と肉を植物の名前で売り、買う方の庶民も罰せられることなく肉を食べるため植物の名前で呼び、買って食べたという。
この時代、馬は冬場に蓄えた脂がのって美味しくなるのが桜の季節だから「さくら」と呼ばれたという。
鶏は、乾燥した柏の葉が鶏肉の色と似ていたから。
鹿は、10月の花札に鹿と紅葉が描かれているから。
猪は、濃い紅色をしていたから。
諸説あるなかで、これらが有力な説らしい。
桜肉を「馬肉」と呼び食べられるのも、幸せなこと。
思いっきり堪能した。
桜と言うよりは、深紅のバラといった色ですね。
コチュジャンのタレと、ニンニクと生姜のお醤油と2種類で楽しみました。
甲府の「山住商店」です。創業1950年。以来馬肉一筋のこだわりのお店です。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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