「松葉茶」に続き、エッセイサークルで教わった「松竹梅ご飯」を炊いてみた。
ネット検索でも出てこないレアなレシピだ。
といっても、材料さえあれば簡単。
米、梅干し、竹炭、松葉の4つだけ。
梅干しは、ほぼ自給自足生活を楽しんでいる知り合いからいただいたものが、竹炭は身延町の特産品を夫が買ってきたものがある。そして赤松の木は森に何本も生えていて、地面から芽を出したばかりの新芽だってある。
研いだ米に刻んだ梅干しと松葉、竹炭を入れて普通に炊くだけ。
米も、近所の田んぼから分けてもらっている明野産だし、地産地消な「松竹梅ご飯」となった。
「松竹梅って名前がつくだけで、めでたい感じがするね」
とは、エッセイサークルの友人談。
ハレの日に炊くのも、いいかもしれない。
ところで「ハレの日」って、どうして片仮名でかくのだろうと、ずっと疑問に思っていた。
漢字でかくと「晴れやか」などの「晴れ」で正解なのだが、天候と区別するために「ハレ」と片仮名表記にしたらしい。
「晴れの日」は、単なる晴天。
「ハレの日」は、正月や節句、盆などの年中行事、七五三や成人式、冠婚葬祭など「非日常」な日のことをいい、それ以外の普通の日「日常」は、「ケ」(褻)と呼ぶ。
「ハレとケ」とは、日本を代表する民俗学者の柳田國男が、日本人の伝統的な世界観を表現するために定義した言葉だそうだ。
「ケの日」という言葉を耳にしたことがないのは、掬い上げるほどのこともない「日常」だからなのだろう。
「ケの日」にひとり食べた「松竹梅ご飯」は、うっすら梅干しの味がした。
材料。赤松の葉、竹炭、梅干し、米2合。
赤松の葉っぱは、乾燥させたのでもいいらしいけれど、どうせ抜くのだからと新芽をもらいました。
炊けた~竹炭、小さいと思ったけど、存在感ありますね。梅干しの種も一緒に炊きました。『夜中にジャムを煮る』に漬物も出汁になるとあったので。
竹炭と梅干しの種を外すと、こんな感じ。
梅干しの味(笑)でしたが、竹炭が入っていたせいかご飯がめっちゃ美味しかった。
しらすと木の芽の出汁巻き卵と、姫皮の若竹煮、姫皮の梅肉和えを添えて。
オーストラリアに行っている娘が、中学のときに焼いた器です。
残りはおむすびにして、冷凍。またひとりランチに、少しずつ楽しみます。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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