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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

人間ドック、逃げるは恥?

一昨日、人間ドックを受けてきた。

何年かぶりだなあと思っていたが、調べてみればじつに7年ぶり。毎年会社で行う健康診断は受けていたのだが、たまには一緒にと、夫にすすめられるまま気がすすまないのを押しての受診だった。

 

「やだなあ」

年が明け日が近づくにつれ、口にするようになっていた。16年ぶりに胃カメラも飲むし、毎年のことながら乳癌や子宮癌の検査もある。

「やだなあ」という気持ちをひきずったまま前日を過ごし、当日を迎えた。「やだなあ」と落ち込みながら病院に着き、惰性に従い手続きをした。検査着を着て待合室で待つあいだも「やだなあ」の空気のなかにいた。往生際が悪いというのはこのことである。まるで子どものようではあるが、子どもではいられないのは、ちゃんと受けなさいと叱ってくれる大人がいないところにある。自分の身体であり、自分の意志で検査するのである。

 

そう言えば、と思い出した。逃げ出した子どもがいたと。

追いかけられなかったのはお腹が大きかったからだから、末娘がお腹にいたときだ。4つ違いの上の娘の予防接種に役場に行った。そこで会ったママ友と話している隙を見計らって、彼女は逃げ出した。あっという間に階段を下りる後ろ姿を、今でもはっきり思い浮かべることができる。

もちろんにげおおせるはずもなく、しっかり注射をしてもらったのだが、嫌だから逃げるというその発想に驚かされた。

娘はいまだ、その単純と言おうか素直と言おうか、そういうところをしっかりと維持したまま大人になっている。嫌なことから逃げるということではない。好きなことをしっかり見極め、大いに楽しむ点においてその性格は、発揮され続けているように思う。

「おねえは、いいよねえ」

末娘の言葉に、同意する。

「ほんと、得な性格だよねえ」

頑固で意地っ張りな天の邪鬼的性格をわたしから受け継いだ末娘とふたり、そう言いあってよく肩をすくめる。上の娘の性格は、父親譲りなのかも知れない。

夫は胃カメラの際、喉の麻酔薬を飲み込み「美味いんだよなあ、これが」と言って、看護士さんを笑わせていた。

 

わたしはと言えば、もちろん人間ドックから逃げることはできなかった。眼底検査で「まばたき」と言われ懸命にまばたきしていたら「しないでください」と続けられバツの悪い思いをしたが、夫婦ともに再検査の必要はなかった。

胃カメラは苦しかったけれど、終わってみればちょっと気のすすまない行事の如く、終わったなあとただホッとため息をつくだけのこと。取り越し苦労と知りつつも、無駄な心配をしてしまうのがお決まりの年中行事だとも言える。

cimg3751病院で出されたランチです。健康食という感じですね。

前夜ビールも飲まず、朝食を抜いての食事には、ありがたみを感じます。

こういうふうに感じることにも、年に一度検診を受ける意味があるのかも。

cimg3754そして珈琲が美味しかった。ミニマフィンは、夫に食べてもらいました。

彼に甘いものを余分に食べさせてしまうのも、そろそろ控えるべきかも。

cimg3757近くの公園には『インサイド・アウト 石の華』というアートがありました。

インサイド・アウトとは「自分の内面を変えることによって、外への影響をもたらしていく」「自分以外の人やモノに影響を与えたいのなら、まず自分が変わることが大切」という意味の言葉だそうです。彫刻家、菅原二郎の作品。

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  1. ユミ より:

    上の娘さんが注射で逃げた時は4歳だったんですよね。
    うちの上の娘は小学2年生で、おたふく風邪の予防接種を嫌がって、医院中逃げ回った事がありましたよ。
    下の娘が4歳だったにもかかわらず今でもその時の光景を覚えていて、びっくしたって言ってるくらいです。
    小学2年じゃ、逃げてどうにかなる事もないくらいわかりそうなものを・・・
    さえさんのブログ読んで思い出しました。

    人間ドックお疲れさまでした。
    私は毎年行ってるんだけど、毎年受けていると、慣れなのかさほど苦にはならなくなりました。
    お昼は病院で出されたって思えないくらい、お洒落ですね~

    • さえ より:

      ユミさん
      終わってホッとしました~。次回からは、ユミさんのように全身麻酔の胃カメラにしようかなと思いました。苦手です。好きな人はいないと思うけど。
      2年生で逃げちゃったんですね(笑)ユミさんの娘さんはブログを読んでいるかぎりおふたりともしっかりと芯の通った3人のお子さんのママをやってるイメージです。でも子どもの頃のそんな素直さもちゃんと残して大人になったんだろうな~と思いました。
      ランチは、薄味でした。やっぱり病院ですね。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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