ペペペ日めくりカレンダーに「記録をぬりかえる日」というのがあった。
めくる氏「オハヨー、なんだかすごくおなかすいたよ」
あささん「めくるくん、40時間もねてたんだよー」
この会話がパッと目に入り、早合点した。
「うわっ、あささん、めくる氏の記憶塗り替えてるよ」
だがよくよく見ると「記憶」ではなく「記録」だった。めくる氏は、実際に40時間眠り続け、長眠記録を塗り替えたのだった。このふたりの関係性や性格からして、どちらもあり得るように思える。
夫に言うと、苦笑した。
「そっちその方が、おもしろいかもね」
40時間眠り続ける体力はもうないけれど、40時間眠り続けたんだよ、と言われても「ほう、自分もとうとうそこまできたか」と納得しそうなくらい日々の記憶は曖昧だ。
きのう、黒だったものが、今日、白になっていたとしても驚くこともなくなり、平穏と波瀾でさえ、隣りあわせにあっても気づかずのほほんと暮らしている。
以前は眠れない夜などに辛い記憶ばかりが思い起こされ、楽しい記憶ほどぼろぼろとこぼれ落ちていくのはなぜか、と苦々しく思っていた。しかし最近、気持ちが楽になったような気がするのは、たぶんいろいろなことを忘れられるようになったのだと思う。
歳をとるのも、悪いことばかりじゃない。
どうせなら明るく楽しい記憶に、塗り替えよう。
あささんのこの表情も、嘘ついてるっぽく感じてしまいました。
ATMね。じゃ「USB持ってきて」は「うまくて、沁みる、ビール、持ってきて」かな。
冷蔵庫のプリン問題は永遠ですね。
これを見て「この人、じつは絵上手いんだね」と、夫。
夫の写真のカレンダー。3月は、スペインのグラナダです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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