日々使っていた茶碗が欠けてしまったので、金沢では、茶碗を買おうと決めていた。
だが、九谷焼の上絵付けで描かれたしっかりとした絵や眩しいほどの明るい色合いに、ちょっとひるんでもいた。
好みのものは見つからないんじゃないか。見つからなかったら、ムリに買う必要はないと決めてもいた。
ところが、初日。
ひがしやま茶屋街の「能加万菜(のうかばんざい)THE SHOP 東山」で、茶碗に出会った。
選んだのは、ブルーを基調にした椿の花が描かれた九谷焼で、「虚空蔵窯(こくぞうがま)」という窯元のものだった。
明るいブルーがぱっと目に飛びこんできて、手にとるとしっくり馴染んだ。
茶碗を購入し、2日目も九谷焼はいくつも眺めたが、ほかに連れて帰りたいと思う器はなかった。(高価すぎる素敵なものはあったが、料理をのせるのも怖いほどの値段で、論外だった)
気に入りの茶碗を見つけただけで、じゅうぶん満足だ。
金沢の旅では、数多くの九谷焼を眺めたいだけ眺め、これまでよく知らなかった九谷焼と仲良くなった気がしている。

きれいなブルーに惹かれました。

内側に模様があるのにも。

すでに、食卓にすっかり馴染んでいます。

ご飯をよそって手に持った感触も、いい感じ。

輪島塗の箸も、それぞれ選びました。
惜春や漆の箸の紅しづか
4月の句会で、先生に添削していただいた句です。
さえさんのブログを開いた時、思わず『きれい!』と目が喜びました。
いい色合いですね、ご飯の時間がますます楽しくなりますね。
内側に藍色で模様が入っているのもいいセンスです。
椿は大好きな花です。
花ごと落ちるから嫌いと言う人が多いけど、生の花は一期一会です。
散っていくからまた新しい花と出会えると私は考えています。
今毎日庭の椿の木に行って、今日の一輪を探すのが一番の楽しみです。
お箸を詠んだ句もしみじみとします。
過ぎ去っていく春と本物の漆の紅のお箸のしっとり感、『紅しづか』という言葉がしっくりきますね。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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