ふと立ち寄った雑貨屋で、今も大切に使っている針山と同じものを見つけた。
「あ、これ、ここで買ったんだ」
たぶんもう、十年は経っている。うれしくてついお店の方に話すと、ロングセラーなんですよと、あちらもうれしそうに笑った。
我が家の針山は、居間に落ち着き静かなゆったりとした時間を過ごしている。だがそのあいだもここでは、入れ代わり立ち代わり、売れていったり新しいものが入って来たりと忙しく時間が流れていたのだ。
それでも変わらずにあるということが、うれしかった。
たまに近くを通り、看板を見かけていたのに、十年以上も立ち寄ることのなかった雑貨屋。大好きな雰囲気のお店なのに足が遠のいていたのは、たぶん、以前来たときに自分のなかに曇りがあったからだ。引っ越してきた頃の様々な騒動。反抗期を迎えた子どもたちの難しさ。仕事の内容の変化と夫とのすれ違い。あの頃は、そういうものが濃い霧となり胸の奥に漂っていた。その記憶の扉の鍵となるものを、いまだに遠ざけている節があるのだと気づいた。
けれど、ふと立ち寄ろうという気持ちになったのは、時間がそれらを昇華してくれたということなのかも知れない。
針山に針を刺すように、日々心に刺さっていく記憶たち。待ち針のように、すっと抜けてくれたらいいのにな。
いろんな色がありました。お話して写真を撮らせていただきました。
これが、うちの子です。お菓子の箱のをミニお裁縫箱にしています。
リスくんも、がんばってるよね。
かわいらしい針山ですね。
くすぐられますね。
りんごも針山ですか?
その時の心境を思い、立ち寄れない。
なんだかとてもよくわかります。
心のひだは、とても繊細ですよね。
誰に言ってもわからないけれど、自分だけのひっかかり。
このお店に立ち寄れたさえさんは、時とともに、乗り越えられたのでしょうね。
ぱすさん
可愛い針山でしょう?
それなのに、人の心って不思議ですよね~
わかってもらえて、うれしいです♡
上手く言い表せないこと、いっぱいありますよね。
雑貨屋さんで過ごす時間は大好きです。
針山、最近使ってないな~何か縫おうかな~♩
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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