庭の水仙が、ようやく咲いた。
『俳句歳時記』を調べると、「水仙」は冬の季語。
また「喇叭(らっぱ)水仙」「黄水仙」は、春の季語だった。
庭に咲いているのは、たぶん黄水仙だ。
調べると、自生している自然の水仙は12月くらいから咲くとあり、中心は黄色だが花びらの部分は白く花全体が小さかった。
福井県の越前海岸や静岡県伊豆の爪木崎(つめぎざき)が、群生地として有名で、どちらも海岸近くに咲いているそうだ。
家ありてそして水仙畠かな 一茶
春の季語「喇叭水仙」では、楽しい句を見つけた。
喇叭水仙笑ひ上戸の集ひけり 渡辺恭子
また、悲しみや憤りを詠んだ句も。
喇叭水仙黄なり少年兵の墓 山崎ひさを
たんぽぽでも桜でもそうだが、同じ花を見ても、楽しい句あり、悲しい句あり。それは人それぞれということもあるけれど、時それぞれかとも思う。
同じ人間でも俳句を詠む方向は、そのときどきの心の在り方で変わっていく。人ひとりのなかに喜怒哀楽の種類は、きっと数えきれないほど詰まっているのだ。
ホルン吹く子の目輝く黄水仙 池田ヨシ子
さらに、遠景、近景。あるいは、大小。
庭に咲いた水仙に、いろいろな景色が見えてきた。
20株くらいあるうち、3つ花が咲いていました。
よく見るとラッパ部分のフリルが、けっこう立派ですね。
まだまだ、これから咲いていきます。
花が小さい。ヒガンバナ科なんですね。
最近、庭で見かけた野鳥たち。秋の季語「鶫(つぐみ)」。
ピンボケだけど、アトリのメスではないかと思われます。「花鶏(あとり)」も『俳句歳時記』にはなかったけど、秋の季語でした。
こちらもピンボケのカワラヒワ。「鶸(ひわ)」が、秋の季語。
河原鶸点となるまで啼いてをり 久保千恵子
カワラヒワ、ほんとにぎやかなんです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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