堰道を久しぶりに歩くと、ボタンヅルとミズヒキが咲いているのを見つけたので、翌朝、涼しい時間に一眼レフを持って撮りに出かけた。
「水引の花」は、秋の季語で、俳句の世界でのみ「水引草(みずひきそう)」(傍題)と呼ぶという。
水引の花は人目を避くる紅 後藤比奈夫
ほんとうに小さな花なのだけれど、ハッとさせられる赤。この句のように、人目につかない場所で咲き、その鮮やかな紅で驚かせてくれる。
赤い花がスタンダードだが、白や紅白の花を咲かせるミズヒキもあるらしい。
そのミズヒキは、やはり秋の季語「蓼(たで)の花」の一種でもある。
傍題に「蓼の穂」「桜蓼」「ままこのしりぬぐひ」などがあり、蓼代表ともいえる犬蓼も「赤のまんま」という季語になっている。
蓼はタデ科の一年草の総称。種類が多く、冬以外の各季に花を開いているものが見られる。秋に咲くのは犬蓼、花蓼、大犬蓼、大毛蓼、柳蓼、桜蓼、ぼんとく蓼など。
桜蓼は、見たことはないが、桜のような薄桃色の5枚の花びらをひらく。目にしたとしても蓼の種類だと気づかないだろう可愛らしい花だ。
末の子とひるは二人や蓼の花 石田いづみ
どこにでも咲く特別ではない「蓼の花」を季語に置いた俳句には、普段の何気ない日々の時間が似合うように思う。
いとこ皆ばらばらに生き赤のまま 櫂未知子
子供の頃、犬蓼を赤まんまにして遊んだ従姉妹たちのことを詠んだのか、遠い日にふと思いを巡らせてしまう句だ。
きっと、今はもう帰ることのできない日々に道端や野や森で見た花には、特別ではない日常やノスタルジーがひっそりと潜んでいるのだろう。
我が家の北側に流れている「堰(せぎ)」と呼ばれる農業用水。
群生していたミズヒキ。
ミズヒキは、写真の撮るのが難しい。
アップにすると、ちろっと舌を出したようで可愛い。
赤にもピンクにも見えますね。
ボタンヅルは、毎年見かける好きな花のひとつです。
「草牡丹」という秋の季語のようですが、『俳句歳時記・秋』には記載がありませんでした。
清楚で、可愛らしいです。
特等席? ご飯がいっぱい飛んでくるのかな? 堰沿いの夜光る動物避けのライトです。
こんにちは。今日も秋田は37度近くありました。
異常気象ですね。
水引草、我が家にもたくさんありましたけど、夏になる前に随分抜いてしまいました。
白い水引もあって紅白できれいです。
一眼レフで撮ると、楽しいですね。
そして美しいですこと!
ボタンヅル、今頃でしたか。
私も大好きな花、最近は見つけられなくて私の花遊びもできませんでした。
さえさんのところで見せていただき嬉しかったです。
いとこ皆ばらばらに生き赤のまま 櫂未知子
櫂さんの句、そうだな~と思いました。
私にも母と父方合わせると10人以上のいとこがおります。
疎遠になってしまったいとこ、今でも親しくしているいとこいろいろです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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