庭では、桜や水仙のほか、辛夷や雪柳、ミツバツツジ、春蘭、プラムなどが咲き始めている。
久しぶりに、夫の一眼レフを借りて、歩いた。
「辛夷(こぶし)」は、春の植物の季語。
蕾が赤子の拳に似ていることから、この名がついたといわれる。
『俳句歳時記・春』にあった。花は白く、儚げだ。
満月に目をみひらいて花こぶし 飯田龍太
辛夷の花の中心が、目のように見えたのだろうか。春の夜の朧気な雰囲気を思わせる。
青空に喝采のごと辛夷咲く 白濱一羊
龍太の句とは対照的で、迷いのない明るさと生命力を感じる句だ。
「雪柳」も、春の植物の季語。
散るさまも雪を思わせ、風情がある。
『俳句歳時記・春』より。
朝(あした)より夕(ゆふべ)が白し雪柳 五十嵐播水
朝に夕に、花を愛でているからこそ詠める句。
風つかみそこねてばかり雪柳 才野洋
風に揺れる雪柳を、絶妙に描写した句。たしかに、風を掴み損ねているように見える。
庭を歩いて花を愛で、歳時記を開いて俳句を味わう。
そうすると、これまで知らなかった庭の花に出会うことができるような気がする。
辛夷の花です。
龍太は、真正面から見た辛夷を詠んだのでしょう。
まだまだ、蕾の方がいっぱい。楽しみです。
雪柳。辛夷と並べると、真っ白だな~と思います。
こちらはもう、8分咲きかな。
夫が整備している森では、ミツバツツジが咲き始めました。
きれいな色。朱色のツツジより、上品な感じ。
『俳句歳時記』には、「ミツバツツジ」はありませんでした。「躑躅(つつじ)」はあったけど、萌ゆる赤を詠んでいて、違う花のような気がしました。
つつじ燃ゆ土から色を吹き上げて 上野章子
おはようございます。
いいカメラで撮った写真はやっぱりシャープで素敵ですね。
どれも美しいですが、一番目と二番目の辛夷写真が素晴らしいです。
辛夷の花のいわれ、知りませんでした。
ご主人、森の整備を?
なんと充実した暮らしでしょう。
何かと疲れるしご苦労もあるでしょうが、人が気持ちよく歩くにはやっぱり自然に手を入れないとね。
私がよくお邪魔していた海辺の友人のところは、ご主人が亡くなってしまった後、里山がダメになってしまいました。
そこにお邪魔していた仲間内で下刈りなどして恩返ししたいと思っていたのですが、その人たち(私たち夫婦も含めて)だんだん年を取り身体にガタが来てできなくなってしまいました。
残念でなりません。
敷地内だったら休み休み出来たのにと思います。
青空に喝采のごと辛夷咲く 白濱一羊
辛夷の花の様子がありありと見えるようないい句ですね。
こちらはまだ咲きませんけど。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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