『きのう何食べた?』1巻の最初に登場するのが「鮭と牛蒡の炊き込みご飯」だ。これがやたらと美味しそうで、その時点でハートを鷲掴みにされた。
なので、作ってみた。
秋じゃないけど、塩鮭に季節はない。
このメニュー、ひとつ驚きがあった。
ごぼうのアクはポリフェノールでうまみの素だから水にさらさない
シロさんが、ささがきしながら釜に直接牛蒡を入れていた。
牛蒡、さらさなくてもいいんだ。ポリフェノールなの?
目から鱗の新事実だ。
さて。ひとりランチに思い立って作ったので、米を研いでからしばらく待ち時間があった。日々料理していると、この待ち時間にストレスを感じることがけっこうある。牛蒡をさらす時間もそのひとつだ。米を水に漬けておくこと30分。たいした時間じゃないけれど、イライラするときもある。
恋人を待つときにも、イライラすることよくあるよなあ。
「何でデンワに出ないんだよ!? さっきから二度もデンワしてんのに! 一人で年越しするお前が淋しかろうと思ってわざわざかけたっつーのにお前は…」
シロさんは、ケンジが心配だからイライラがつのるんだよね。でもケンジは。
「サッポロ一番作って食べてた」
「…サッポロ一番じゃ仕方ねーな」
「でしょ」
「作ったら即食べだよな、アレは」
「ね~~~」
イライラはケンカには発展せず、ふたりの共通意識が解決した。
シロさんの方が怒ってケンジが泣くという通常のパターンから外れ、ケンジの譲れない部分(サッポロ一番は即食べ)にシロさんが納得という形だ。
こういう共通項が増えていくほど、いい関係になれるんじゃないかなと思える素敵なシーンだった。
それにしてもドラマ5話で、ケンジが作っていたサッポロ一番。食べたい。
シロさんに習い、牛蒡はさらさずに入れました。
我が家は、毎朝土鍋でご飯を炊いています。
9分炊いて15分蒸らせば出来上がり。舞茸がしんなり。米1合につき塩鮭一切れ、酒、薄口醤油、牛蒡、舞茸というレシピです。
コミックのワンポイントアドバイスに従い、三つ葉をトッピングしました。ん、牛蒡のアク感じない!美味い。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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