三連休初日の土曜日、バーベキューをした。
わたしたち夫婦を合わせて総勢20人。夫が経営するふたつの会社の社員とその家族を招いて、自由参加での毎年恒例行事だ。
3年前に入社したアメリカ男子が仕切ってくれるようになったので、準備も、段取りも、肩の荷が下りたというほどに楽になった。
香港から来た女子や、最近日本人と結婚したアメリカ女子など、顔ぶれもにぎやか。夫婦で来たり、子ども連れだったり。小学生男子や1歳の女の子、大学生の女子も来てくれた。毎年のことなので、社員たちが家族と一緒にいる姿を目にするのにも慣れたが、いまだ忘れていたことを思い出すような気持ちにもなる。
普段は、会社でともに仕事をする、ひとりの人間としての彼らしか知らない。
家族の話をすることはあっても、その顔は見えず、ぼやけている。だが、実際に会ってしゃべって、食事して、お酒を飲んで、あるいは抱っこして、そうすると目に見える存在になってくる。あたりまえだが、誰にだって、家族がいて、大切にしているものがあって、会社以外の顔があるのだ。
しかしそれは、普段は見えないものだから、忘れがちになっていく。だから、こうして家族が集う機会があるのって大切なんじゃないかなって思っている。
英語の諺に「Out of sight,out of mind(視界を外れると心も外れる)」とある。
それを心に留め、見えないところにあるものの存在を忘れずにいよう。
そんなことを思いながら、翌朝宿泊組を送りだしてから、冷蔵庫の野菜庫を開けて呆然とした。そこには、スイカが1個丸ごとすっぽりと収まっていた。
みんなで食べようと買ったものだった。
「見えないところにあるものの存在を忘れちゃ、ダメじゃん」
スイカは、赤くしっとりと冷たくつぶやいた。
始まる前、庭にセッティングした様子。キャンプ場のよう(笑)
サザエからスタートしました。ソースパンの赤いのは、ローストポーク用のソース。2時間ほど火にかけたまま煮詰めて使うそうです。
バーベキューのプロフェッショナル、アメリカ男子の社員がプロデュースしてくれました。野菜もちゃんと焼いてくれます。
バーベキューコンロも、2台出しました。味つけからすべてお任せです。
ご近所に4分の1ずつ配りました。ふたりじゃ食べきれませんから。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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