高校時代の友人から、大きな荷物が届いた。
「西洋梨詰め合わせ」とある。
まさか、全部ラ・フランス? と思ったら、ラ・フランスらしき洋梨が7つ、段ボール箱いっぱいに入っていた。見たことのないほどに、大きい。
「ラ・フランス」が、2つ。
ほかに皮の黄色い「エルドラド」、赤い「リーガル・レッド・コミス」など、聞いたことのない洋梨の品種が並んでいる。
感心したのは、食べ頃が1週間以上の幅でズレていること。
夫婦ふたり、ひとつずつ、日を空けたりしながらゆっくり楽しめる。
じっと見つめると、なんというか、整っていない形に愛らしさを感じてくる。
「ラ・フランス」なんてかっこいい名前を持ち、その名に負けない瑞々しく香りも味も素晴らしい果実であるのだが、それだけにその形のでこぼこが際立って見え、滑稽にさえ思えてくるのである。
元来、果物は左右対称に整っていなくてもいいものだったのかもしれない。人の好みに合わせて、整っていったのか。
ラ・フランスのでこぼこした形が、食べるたびに愛おしく思えてきた。
ラ・フランスって、こんなに種類が豊富なの~?
宮城県の「不亡果樹園」の西洋梨でした。
食べ頃がズレていて、夫婦ふたりでもゆっくり楽しめます。
写真は地味だけど、メロンのような香りの「エルドラド」。
「リーガル・レッド・コミス」皮が赤い希少品種。とっても瑞々しかった。
幻の西洋梨「ドワイアンヌ・デュ・コミス」。なんでしょう。この果肉の滑らかさ。
クリスマスイブに食べ頃を迎えた「ラ・フランス」。
「ラ・フランス」のほどよい酸味が、驚きの美味しさでした。
嬉しい贈り物でしたね。
ラフランスは食べごろが難しい果物、買うのもつい躊躇してしまうところがあります。
でもこうやって食べごろが記されているなら、とっても嬉しいですね。
少し前になくなりましたが、天童に住んでいるこんのさんというブロガーさんがいました。
天童の家ではさくらんぼやラフランスなど果物王国らしく様々な果物を作っておりました。
ラフランスを天童では『みだくなす』と言いますと書いていました。
東北の言葉で、あまり器量の良くない様子を『みだぐない、みだくね~』などと言います。
それに梨(ラフランスなので)をつけてみだぐなすと言っているそうです。
おかしいでしょう?
あの高貴な香り、滑らかな果肉の食感とは違う風貌、どこかユーモラスでかわいい果物ですね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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