庭のツルウメモドキがオレンジ色のガクを開き、赤い実を見せている。
きれいだ。一枝切って、一輪挿しに飾った。
いつしか庭に根付いたツルウメモドキ。
野鳥たちの冬の食べ物が少ない時期のご馳走だというから、きっと鳥の落とし物だろう。
北側の石段の上、あまり陽当たりはよくないし、水をやったこともないけれど、強く生き残っている。
ツルウメモドキは、ニシキギ科ツルウメモドキ属。
その名から梅にゆかりがあるかと思えば、まったくなかった。梅はバラ科で、その梅に葉が似ているからと梅擬(うめもどき)と名づけられた、これもモチノキ科の梅ともツルウメモドキともつながりのない植物だ。梅擬とツルウメモドキはたしかに花の感じが似ている。蔓を伸ばす梅擬(に似た花を咲かせる)ということでツルウメモドキ。
伝言ゲームかと笑ってしまうほど、ややこしい。
呼び始めればそうなるというところもあり、ものの名というのは、おもしろい。
食用菊は「モッテノホカ」と呼ばれ、マダガスカル原産の花には「アアソウカイ」という和名がついているという。
モッテノホカ:天皇家の御紋を食べるなんてモッテノホカという意味らしい。
アアソウカイ:マダガスカル島は、アジア〈亜細亜〉とアフリカ〈阿弗利加〉の境界にあたるゆえアアソウカイ〈亜阿相界〉と名づけられたそうだ。
想像もつかないそれらに比べれば、ツルウメモドキはまだ納得いく方だろう。
なかなかピントが合わず、苦労した1枚。
何度も撮り直して。
なんとか写真になりました。この実の3つに割れた感じが梅に似ている気がしないでもないけど。
トイレの一輪挿しに活けて、陽を浴びたツルウメモドキ。
夕刻の散歩で。
飛行機雲が、飛び交っていました。
林で見かけたツルウメモドキ。高く高く蔓が伸びていました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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