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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

オルヴィエートへ~黒トリュフのカルボナーラ

ローマがあるラツィオ州の北、ウンブリア州オルヴィエートへ向かった。

ほかでは見られないほど繊細で美しいといわれるドゥオーモのファサードが見たいと、夫が選んだ街だ。

ローマからは、普通列車で1時間半。オルヴィエート駅からフニコラーレ(ケーブルカー)で丘の上の中心街へ。朝食も食べずに乗ったので、昼前には着いていた。

オルヴィエートはローマと違い、閑静な街だった。ナポリの喧噪とは、真逆と言ってもいい。道が細いせいか車も少なく、信号も見当たらない。街ゆく人の歩き方も、ゆったりしている。歩いているだけで、気持ちがゆったりした。ほとんどの建物が土壌であるトゥーフォ(凝灰岩)を使っていて、それが独特の雰囲気を作り出していて、見て歩くだけで楽しい。

 

さて。ふたりともすっかりお腹が減っていたので、黒トリュフのカルボナーラが人気のトラットリアでランチすることにする。

ウンブリア州は、黒トリュフが代表的な特産品なのだそうだ。

そのカルボナーラとイノシシのラグーボロネーゼをオーダー。いつものようにシェアして両方楽しむことにする。

その2つのパスタが運ばれてきたとき、あれ? と思った。

たいてい肉系の方を自分のテーブルに置いてもらう夫が、カルボナーラはどっちと聞かれ、即座に手を上げた。

カルボナーラには、黒トリュフをその場でふんだんにすりおろしてくれた。

「すごい香り!」

「トリュフ!」

香りを楽しみながら、皿を交換して食べたが、美味しすぎる。

まだローマでカルボナーラ発祥の店に行っていないにもかかわらず、イタリア一美味しいカルボナーラだとふたりで決めてしまうほどだ。

その後、夫がなかなか皿を交換しようとしないので、催促すると悲しそうな顔をした。

「食べるの?」

「食べるよ!」

イノシシのラグーも美味しいけれど、わたしだってもっとカルボナーラが食べたい。

ここへ来て、食べ物の取り合いによる夫婦げんか勃発かと思われたが、夫は泣く泣くカルボナーラの皿をどうぞとわたしの前に置いた。

わたしも泣く泣く少しだけ味わい、彼に皿を返した。

こうして夫婦げんかは回避され、オルヴィエートの静けさは保たれたのだった。

高台にある小さな街です。

可愛い赤い観光バスが、街を走り回っていました。街のシンボル「モーロの塔」が見えるドゥオーモ広場。

なぜかオート三輪が多かった。ソーキュート!

ランチした「トラットリア・パロンバ」です。

明るく落ち着いた店内。カウンターでは、パンを切っていました。

イノシシのラグーボロネーゼ。タリアテッレのパスタがモチモチでした。

黒トリュフをテーブルですりおろしながらたっぷりかけてくれたカルボナーラ。オルヴィエートに来たら、ぜひ食べてほしいという逸品です。

絵本屋さん。雑貨屋さん、アートショップが多い街でした。

街角アート。

夕飯の帰りに撮った、ホテルの近くのレパブリカ広場。

photo by YasuoMaeda.

月? と思ったら「モーロの塔」の時計でした。びっくりした!

 

COMMENT

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  1. ぱす より:

    ボンジョルノ~♪
    郊外の閑静な街への旅は、ツアーでは決して連れて行ってはくれない町なんでしょうね。
    石畳をどこまでもどこまでも、歩いていけそうですね。

    パスタのシェア。我が家も必ず二種類オーダーしてシェアです。
    家でも、二種類作ってシェアです。
    本場イタリアでのシェアは、たまらなく美味しそう!
    黒トリュフをその場ですりおろしてくれるんですね。香りがまたたまらないでしょうね。
    時計台は、ほんと!お月さまのようですね。

  2. さえ より:

    >ぱすさん
    ボンジョルノ~♩
    オルヴィエートは、小さなツアーでは行ける街なんじゃなかと思います。
    3大ゴシック建築のひとつ「オルヴィエート大聖堂」もあるし、可愛らしい街並みと、美食、地下探検ツアーもあって、ツアー客も団体で歩いていました。
    おすすめの街です。
    シェアしますよね~でも、家では2種類は作らないかな~それも楽しいですね。
    時計台は、びっくりしました。
    こんな小さな驚きが、旅を豊かなものにしてくれるんだと思います。

  3. ユミ より:

    オルヴィエート、素敵な町ですね~
    アッシジっていう小さな町に行ったんですけど、そこにどことなく似ています。
    どこもかしこも素敵だけど、街角アートや建物、夜の景色なんて最高ですね。
    ツアーでは案内してくれないって私も思いましたよ。
    駆け足でイタリアの北から南まで回ったツアーと違い、
    一つの所に拠点を置いて、じっくり気の向くままに旅で着るって、ほんとに贅沢な旅ですね~

  4. さえ より:

    >ユミさん
    オルヴィエート、ほんとうに素敵な街でした。
    ユミさんは、アッシジに行かれたんですね~オルヴィエート、たしかにアッシジと少し似たところがありました。同じウンブリアですからね~じつは今朝までアッシジに行っていたんです。アッシジも街並みが可愛らしく素敵な街ですよね。
    ツアーじゃないと、好きな時間に好きなところ、観光名所でも何でもないところをのんびり歩いたりできるのがうれしいです。ツアーじゃなければ行けないところもたくさんあるとは思いますけれど。
    旅もあっという間に終盤にさしかかりました。思いっきり楽しもうと思います(^_-)-☆

  5. mami より:

    こんにちは~。
    黒トリュフのカルボナーラがとっても気になりました。
    わが家の近所のイタリア料理のお店でも黒トリュフのカルボナーラがあって
    いただいたことがあるんですが
    期待が大きすぎたのか思ったほどでもなく
    「あ、こんなものね。」ってな具合でした。(笑)

    でも、そちらの黒トリュフのカルボナーラは
    夫婦喧嘩が勃発しそうなほどの美味しさですか!
    う~ん、一度食べてみたいです。(#^^#)

  6. さえ より:

    >mamiさん
    黒トリュフのカルボナーラ、食べられるところ、あるんですか~
    でもウンブリアは産地だから、生トリュフをふんだんに使ってもリーズナブルなお値段で食べられるんだろうな。そりゃあ違いますよね。
    いつかイタリアを旅することがあったら、ぜひ、オルヴィエートに行ってみてください。黒トリュフのカルボナーラだけじゃなく素敵な街ですよ(^_-)-☆

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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