先月のことになるが、社員研修で3日ほどホーチミンに行ってきた。
20人近くで動く団体での旅行は初めてで、緊張していたのだろうか。2日目の夜、頭痛とめまいと腹痛に襲われ寝込んでしまった。
時差も2時間だし、飛行機でも眠れたし、疲れがひどいなどの予兆もなく、自分でも驚くほどに突然のことだった。どこへ行っても旅行中、ここまで体調を崩したことなどないのに。
夕食はキャンセルし、夫はほかのメンバーと一緒に出かけてもらった。
起き上がると吐き気とめまいがひどくなり、自分の身体なのに思うように動かせない。まるで油が切れたロボットだ。ホテルは快適だったがエアコンが調節してもきつく、重ね着して布団をかぶりただただ横になっていることしかできない。
眠ることもできず、ぼんやり天井を見上げていると、異国にいるのだなあとしみじみと感じてきた。そのときに思ったのは、
「電話、鳴らないかなあ」
と、ただそれだけだった。
自分から誰かに電話するには、具合が悪すぎるし心配かけるだけだ。
こんなとき、遠く日本から、誰でもいい。電話がかからないかなあと。
3度目のホーチミン。地図がなくとも歩けるほどに土地勘もある。そこへ大勢でにぎやかにやってきた。だから、そのときは気づかなかった。
自分が、心細かったのだと。
さいわい翌日には、けろりと治り食事も採れた。
自分の身体は自分がいちばんよくわかっている、とよく聞くが、わたしはまったくそうは思わない。自分の身体も心も、わからないことだらけだ。
翌日夫とランチした『151ドンコイアパート』に入ったカフェ『ルジーンL'usine』です。内装が大きく変わっていました。
豚肉のバインミー。いろいろ入っているのがおもしろい。
チキンラップ。チリソースが効いていました。スイカジュースは、去年と変わらず美味しかった。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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