秋の空、秋の雲。
一昨日の夕方からきのうの朝にかけて、横に棚引く雲を何度か見かけた。
空の写真図鑑『空の名前』(光琳社出版)によると、「横に幾重に重なって棚引く雲」は「八重棚雲(やえたなぐも)」と言い、「山の中腹に棚引く横雲」を「雲の帯」と呼ぶそうだ。雲の切れ間から射し込む、幾筋もの神々しい御光」は「天使の梯子」「ヤコブの梯子」などとも呼ばれているらしい。
「たなびく」は「棚引く」とかくのだなあと、おもしろく思った。
空にかかった雲の棚を、連想したのだ。
棚であるから、何かを乗せたくなる。本棚のような実用的な棚ではなく、飾り棚だろう。何がぴったりくるのだろうと考えてみるが、ああ、すでに光の粒が、そして青から黄、赤などへ変わっていくいくつもの色彩がそこには乗せてある。それらが落ちてこないように、影がしっかり支えている。
雲の棚に乗っていた光や色の粒、その影は、雲が散るとき地上に落ちてくるのだろうか。あーあ、きれいに飾ったのになあと天使たちはつぶやくのだろうか。
一昨日の午後、スーパーの駐車場から見えた東の空です。
帰り道にはもう、薄暗くなってきた西の空。
その後、夕焼けに染まっていきました。八重棚雲ですね。
きのうの朝です。南に向かって車を走らせています。運転手は夫。
駅まで送って、その帰りにひとりで見た八ヶ岳です。
確かに、太い帯を締めているようにも見えますね。
シミルボンサイトで『空を眺めて』という連載を投稿しています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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