特派員の取材で、北杜市内の「精進ヶ滝」へ、ひとり行ってきた。
天気を調べ、山靴を履き、雨具と水筒と飴を持ち、よし万全だと出かけた。
なに40分ほどの道のり。装備さえちゃんとしていれば、心配はないだろうと。
ところが現地に着いた途端、目に入ったのは「熊目撃情報」の黄色い貼り紙。
「うわ、熊鈴忘れた」
ひとりならたぶんここですごすごと引き返しただろうが、駐車場に先客がいた。男性ひとりで歩きだす。山歩きに慣れた装備と歩き方だ。
「ついていけば、だいじょうぶだろう」
と、決行した。
写真を撮りながら、しかし彼に遅れないよう早足で歩く。
途中見失ってしまい、途方に暮れるがもうすぐ40分だと、熊よけに大声で歌を歌いながらひとり歩いた。
『あやしい彼女』を観たばかりだったせいか、「悲しくてやりきれない」しか出てこない。だんだん調子よくなってきて大声で歌っていたら、パッと目のまえが開け滝見台に出た。
そこでは山を整備する工事のおじさんたちが、5人ほどでお昼休憩をとっていた。先陣の男性もいる。
「うわ、恥ずかしい!」
赤面しつつも、ホッとした。
人がいるって、こんなに安心するものなんだと脱力するほどホッとしたのだった。
精進ヶ滝へ行くときには、ぜひ熊鈴をお持ちください。
「一の滝」です。
「二の滝」です。
「三の滝」は、つり橋のすぐ横。
そして滝見台から見た精進ヶ滝。とっても気持ちのいい場所でした。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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