いただいたシクラメンの鉢植えを楽しんでいる。
たっぷりの水と、やわらかな陽射しを好むらしい。
お正月用に楽しむことが多いという印象があるのは、クリスマスシーズン到来とばかりに花屋の店頭に並ぶポインセチアとともに売り出されるからだろう。
冬の花である。
花言葉は、「遠慮」「気後れ」。
そんなイメージも、なんとなくわかるような気がする静かな雰囲気を持つ花だ。
ところで、シクラメンは別名「篝火花(カガリビバナ)」とか、「豚の饅頭(ブタノマンジュウ)」などとも呼ばれるという。
「篝火花」はわかる。確かに灯したかがり火のようにも見える。
だけど、「豚の饅頭」?
シクラメンの雰囲気とは、まるでかけ離れている。
語源は、イギリス植物の父と呼ばれた博物学者ウィリアム・ターナーが、庭に放し飼いにしていた豚がよくシクラメンの根茎を掘り食べていたことから「sow bread」(豚のパン)と呼んでいた。それがパンを食べなかった日本に伝わると「豚の饅頭」になってしまったとか。
シクラメンの可憐な花からは想像もつかないわけだ。
花の名をひとつ覚えるたびに、花と人とのつながりを知っていくように思う。
日々、ひとつふたつ咲き終えた花を切り、元気に咲いています。
紫というより、濃いピンクに近いかも。
蝶の翅のように上を向いて咲くのが可愛らしいです。
冬のやわらかな陽射しのなかで。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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