夕刻の散歩で、虹色に光る雲を見つけた。
様々な形の雲の共演といったような空で、ぼんやりと西の空を眺めながら歩いていた。
『空の名前』をめくり「光の章」を開く。
そこには、「彩雲(さいうん)」とかかれていた。
太陽の近くにある高積雲などの縁が、美しく五色に輝くのをいいます。古くから、景雲(けいうん)、五雲(ごうん)、慶雲(きょううん)、瑞雲(ずいうん)、紫雲(しうん)などと呼ばれ吉祥とされています。
「綺麗!」
そう感じるだけでも、いいことあったと気分が上がるのだから、吉祥といわれるのも納得だ。
「光の章」には、夕刻の空や時を表す名前もたくさん載っていた。
夕方、夕まし、夕闇、夕日、夕間暮れ、夕暮れ、黄昏、夕映え、茜空、茜雲、日の入り、入り日の御光などだ。
載っていなかったが、「逢魔時(おうまがとき)」という言葉も知っている。
「何やら妖怪、幽霊など怪しいものに出会いそうな昼と夜のあいだの時間」のことだ。
黄昏の語源としては、映画『君の名は』のモチーフとなったという歌が知られている。
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ
(あれは誰なのと 私のことを聞かないでください 九月の露に濡れながら 愛しい人を待っている私を)
黄昏(たそがれ)=誰そ彼(たそかれ)
彼は誰? と人の顔も見分け難い時間を、黄昏という。
なんと素敵な日本語だろう。
実際、ソーシャルディスタンスな世のなか。夕暮れ時の散歩では、あれ誰だろうと思いながら遠くで会釈だけして通り過ぎることも多いのだ。
いろいろな形の雲が浮かんでいるなあと、眺めながら歩きました。
南西の方向には、黒っぽいレンズ雲も浮かんでいました。
その上には、三日月。
そのなかに、虹色の雲を見つけました。
アップにして、ようやくわかるくらいうっすらと見えた彩雲。
歩いているうちに夕焼け色に染まってきました。
北東の空にも、雲に映りこんだ夕焼けが見られました。不思議そうに眺める八ヶ岳。
夕焼けから、夕闇へと静かにトーンダウンしていきました。
こんばんわ
秋の夕暮れ、いつまでも見ていたい風景ですね。
彩雲。虹のような色合いが、雲と溶け合っていますね。
こんな場所にたたずんで、ぼんやりとしてみたいものですね。
風が、そろそろ冷たいでしょうか。
週末は、一気に、季節がすすみそうですね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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