YasuoMaedaの6月のカレンダーは、スペインの北西部ガリシア州のサンディアゴ・デ・コンポステーラ。800kmの巡礼路を歩くエルカミーニョの終着点となるカテドラルが空へ伸びる街だ。
2014年10月に旅した。8年も前のことなのだが、
「ガリシアは、いつも雨よ」
Tシャツを買った店の女性が、そう言って肩をすくめたのをよく覚えている。
10月でもそれほどの寒さではなかったと記憶しているが、雨に濡れ風邪をひきベンザブロックを飲んだ。スペインの西の果てでもベンザブロックは利くのかと、我ながら可笑しな疑問を抱いたことまでも覚えている。
写真のなかのガリシアも、雨だ。
しっとりと濡れている。「そぼ降る」という形容が似合う優しい雨である。
ブーツの底が滑らないよう、石畳をしっかりとゆっくりと踏みしめて歩いた。
旅のお守りは数々あれど、ベンザブロック(シルバーの喉バージョン)は、わたしにとって旅先での最強アイテムだ。
夫には合わないようで彼は葛根湯派だが、わたしはバッグのなかに日数分のベンザブロックがあるだけで心の安定も保てるというほどに頼りにしている。
ちょっと喉がおかしい。今夜はぐっすりと眠りたい。不意を突かれ雨に濡れた。
そんな夜、一回分たっぷりの水で飲む。
たいてい飲んで眠ったことすら忘れるほどに、清々しい朝を迎えることができる。
ガリシアでも、そうだった。
ガリシアの人たちは、どんな風邪薬を飲んでいるのだろうか。
旅人は、自分の家にいたら考えもしない小さな疑問を抱き眠る。
そんな些細なことごとを、雨に濡れた石畳が光る一枚の写真に思い出した。
背筋が伸びたかっこいい女性ですね~、ってマネキンやん(笑)
2019年6月のカレンダーも、雨のガリシア。この写真、どこへ向かっていくのかと問うているような感じが好きです。
トイレその1、日比谷花壇のカレンダー。
その2、ゴッホのカレンダーは「郵便配達夫ジョゼフ・ルーランの肖像」です。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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