庭のえごの木に花が咲いた。白く小さな花だ。たくさん咲いている。可愛い。
「えごの花」は、夏の植物の季語。去年も同じく5月に、季語や俳句を調べていた。傍題に「えご散る」などがある。
花はサポニンを含み、むかしは子供が水につけてシャボン玉遊びをした。果皮には麻酔効果があり搾汁を川に流して、魚を捕るのに使われた。
1年前にも『俳句歳時記・夏』で、この記述を読んだはずなのに忘れていた。植物には、毒となるものもあり、薬となるものもあり、食べておいしい身体に効能をもたらすものもある。そんなことすら、すっかり忘れていた。
えごの花は、白く清楚なだけではないのである。
去年とは違う句を、検索してみた。
えごの花かかりて蜘蛛の糸見えず 松本たかし
えごの花が咲く時期は葉も茂り、そこに小ぶりの花がたくさん咲く。たしかに蜘蛛が巣をかけたとて人には見えないかもしれない。
えごの花一切放下なし得るや 石田波郷
「一切放下」とは、一切の煩悩や執着を放ち手放すことだという。「えご散る」が傍題にあるのは、椿のように花ごと散るのだが、えごの花は軽く風に舞うような風情があるからだとか。その様子に、波郷は何を思ったのだろう。
えごの花川は深空につづきけり 太田保子
えごの花が咲く。川は流れゆく。空はいつもそこにあり、手は届かない。そんな鑑賞をした。
白く咲き、風に舞い落ちる様子が頼りないせいだろうか。心の奥にある暗がりを、静かに炙り出すような句が多いような気がした。

リビングの窓から見下ろしたえごの木。花は小さく、遠目には見えません。

白くて真ん中の雌しべが黄色で、茹で卵を連想します。

蕾もまんまるで、卵みたい。

下を向いて咲いているので、下から撮りました。

シャンデリアっぽいかも。

庭のシンボルツリー、山法師も白い花をたくさん咲かせています。

今年は花が早く、満開時期を見逃してしまいました。上を向いて咲くので2階のベランダからじゃないとよく見えないんです。
我が家のエゴも散った花が多くなりました。
数年前ベランダを新しくするとき大工さんが切ってくれ(決断が要りましたが、今切ってもらわないと業者さん頼みになると思い)かなり小ぶりな木になり、まだ以前のような花付きではないのですが、今年もかわいい星のような花を堪能しました。
エゴもそうですが、母が言うにはサイカチの木にもサポニンが含まれていたそうです。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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