「彼女は、決して期待を裏切らない」
そう言ったのは、運転免許センターの教官だ。
ゴールド免許なので5年ぶりの更新。視力を測り、写真を撮り、30分の講習を受けた。そこで聞いた話である。
彼は職場である運転免許センターに、日々車で通っている。毎朝同じ時間、同じ場所ですれ違う車がある。若い女性だそうだ。
最初にすれ違ったときから、彼女のインパクトは強烈だった。
運転しながら、歯を磨いていた。白く泡立った歯磨き粉も見える。
「ああ、寝坊したんだな」
教官は、思った。しかし、翌日もよく翌日も、彼女は同じ時間同じ場所で、歯を磨きながら運転していた。朝寝坊の末の選択ではなく、朝の習慣だったのだ。
「それからもう1年以上が経ちますが、彼女は決して期待を裏切らない。毎朝同じ時間同じ場所で歯を磨きながら通り過ぎていきます」
彼は苦笑しながらも、彼女とすれ違うのを楽しんでいるようにも感じられた。
「どうやって口をゆすいでいるんだろう」
彼のその疑問が解ける日は来るのだろうか。
免許更新の講習のなかでは余談に入る部類の話だろう。だが、ほかの話は忘れても、この話はたぶんしばらくわたしのなかに残っていく。
運転しているのはみんな人間で、そして想像を超えるほどにいろいろな人がいるのだという当たり前のことに、不意に気づかされたような気がしたのだ。
「運転しながら歯を磨いてはいけないという規則はありません」
しかしその末に事故を起こした場合には、安全運転義務違反になるのだと結んだ。
いつも通る富士山が綺麗に見える農道です。運転しているといろいろな風景に出会います。後続車がいなかったのでハザードをつけ停車して撮りました。
今月初め、東京から帰るときに特急あずさの車窓から撮った写真です。
電車はゆっくりと、風景を楽しめるのがいいですね。
日本海側の大雪、まだまだたいへんだと思います。車の方も、電車の方も、徒歩で移動する方も、どうぞお気をつけて。
さえさん、肩の調子はいかがですか?
体の何処かが痛いと、ほんとに気持ちもずっとそこに留まってしまってどんよりしますよね。
私も胃の調子が悪いのが続いていて薬飲んでます。
五十肩なら、きっと時間が経てば治るって、五十肩経験者の方は皆さんおっしゃってます。
主人も、腕を何処に置いたらいいのかわからないくらい痛いって言ってましたけど、時期がきたら治りましたよ。
乗り越えなくちゃいけない小さな山は、これからも次々とあるでしょうけど、お互いに頑張りましょうね。
毎朝、運転しながら歯を磨くなんて、ある意味すごい技ですね!
ユミさん
ありがとうございます♩
五十肩、じつは2度目なんです。反対の肩だったんですが、ご主人と同じようにほんとうに痛くって、でもステロイド注射を4回打ったらすっかりよくなったんですよ。
長い人は2年以上痛むって聞いていたんで、かなりどんよりしてたんですが、ホッとしました。
でもステロイドって身体にはよくないものだから、なるべく打ちたくなくって。結局我慢できなくなっちゃいましたけど。
ユミさんは胃の不調続いてるんですね。寒さもあるのかなあ。食べることと直接つながるところだから、つらいですよね。食べるのってやっぱり大きな楽しみだし。
ほんと、小さな山を乗り越えながら、おたがいムリせずがんばりましょう♩
運転しながらの歯磨き、ほんとすご技(笑)
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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