「それ、買ったの?」
手話教室で、手話で聞かれた。辞書である。
「違うの」
こちらも手話で答える。
「大掃除したら、見つかったのよ」
「ほんと?」
「ほんと、ほんと。探してたの」
「それで、スマホの辞書使ってたのか」
「そうそう」
これくらいの手話なら、なんとかできるようになった。
とは言え、気心知れた新人同士(万年新人である)だからこそ成り立つ部分も大きい。先生が見たら、厳しいチェックが入りそうだ。
年末から1月にかけて、少しずつだが断捨離を兼ねた大掃除をした。
それで出てきたものは、手話辞典だけではなかった。
真新しい茶碗蒸しの器が5つセットで見つかった。いつ誰にいただいたのかわからないが、きちんと箱に入っていたから引き出物だろう。
欲しいなあと思っていたので、プレゼントをもらった気分だった。
2年前に買ったオーブンレンジには、蓋つき茶碗蒸しで作る簡単蒸し器バージョンがあり、やってみたかったのである。
さっそく使ってみると、簡単に美味しく蒸しあがった。
断捨離は、宝探しだ。
キッチンもすっきりして、読みたい本も探しやすくなった。あるはずの本が見つからず、読めない状態というのは拷問に近い。自業自得とはこのことだ。
「断捨離って、偉大だ」
そう大きく頷くも、すでに雑然とした空気が流れつつあるのだが。
見つかった茶碗蒸しの器です。ちょっと変わった形です。
電子レンジで作った卵だけの茶碗蒸し。敷物つきでした。すが立つこともなく、綺麗に蒸しあがりました。柚子餡をかけて。
こんなお盆も見つかって、使っています。
見つかった分厚い手話辞典。先生、悪い生徒でごめんなさい。
下の段と上の右側がわたしの本棚スペースです。左上の沢木耕太郎コーナーは夫スペース。ここが本で埋もれていて、手話辞典は隠れていました。
むかーし作った、米山京子の泣き虫人形がいまだ飾ってあります。本の売り上げは、3,000円ほどになりました。
こんばんは。
ご主人の沢木耕太郎コーナーありますね。
我が家の本棚と似ています。
素敵な茶碗蒸しの器が見つかりましたね。
私も物を整理していると時々懐かしいもの(忘れているもの)に出会います。
>米山京子の泣き虫人形がいまだ飾ってあります。
私も何体か作りました。
一つだけ残していましたが、数年前娘が帰省した時、「捨てた方がいいよ」といわれて捨ててしまいました。娘ってシビアですね。
米山京子という作家の名前忘れておりました。
表情が可愛くて本を買って作りました。
さえさんのお人形もかわいいですね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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