句会に出すために、ここ数日、季語「朝顔」と向き合っていた。
傍題には、「牽牛花(けんぎうくわ)」「蕣(あさがほ)」などがある秋の植物の季語だ。
熱帯アジア原産のヒルガオ科の一年生蔓草の花。奈良時代に遣唐使が中国から薬用として種子、牽牛子(けんごし)を持ち帰った。鎌倉時代以後、観賞用に栽培され、江戸時代に広く親しまれるようになった。牽牛花は漢名。
『俳句歳時記・秋』より。
漢方では下剤として用いたという「牽牛子」。その名の由来は、当時、朝顔の種は高価で牛を牽いていき謝礼にしたという説や、七夕伝説に登場する牽牛星から来ているという説があるようだ。新鮮な情報だった。
朝顔に釣瓶とられてもらひ水 千代女
朝顔といえばこの句、というほど名の知れた句。
早朝、美しく咲く朝顔に水をやろうと釣瓶に手を伸ばしたら、その蔓が絡んでいる。切るのもしのびなく、隣家に水をもらいにいった。
そんなに日常のひとこまに、早朝の清々しさや、朝顔への優しい眼差し、微笑ましさなどが、読みとれる。
朝顔の紺のかなたの月日かな 石田波郷
こちらは、昭和17年に詠まれた句。戦時中、数々の別れを過ごし、朝顔の深い紺色の向こう、遠い彼方に、穏やかだった月日を思ったのだろう、との解説を読んだ。
朝顔の顔でふりむくブルドッグ こしのゆみこ
ネットで見つけた、ユーモア全開の句。朝顔がまんまるく表情豊かに咲く様子と、ブルドッグの満面の笑みを思い浮かべた。
朝顔の蔓の自由の始まりし 稲畑汀子
生き生きして自由に伸びる朝顔の蔓。素敵だ。
わたしの句は、こちら。
朝顔の濡れてこぼるる深き青
一物仕立てに、挑戦してみた。朝露に濡れた青の深さを表現したかったのだが。
もう数年、実物の朝顔の花を見ていない。俳句を詠むのなら本物をじっくり見なくては、と思いつつも句会の日になってしまった。

朝顔の写真がなかったので、平山郁夫画伯の朝顔の扇子を。夫婦扇子。いただいたものです。

平山画伯は、壮大なシルクロードの風景画が有名ですが、花鳥風月の絵も素敵。

深い青の朝顔です。

今、持っている平山画伯の扇子は、3種類。

京都清水寺を描いた作品。

和歌山にある名滝「那智の滝」が描かれたもの。どれも、うっすら白檀の香りがします。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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